第4章 14話 ビー玉ちゃんのお誕生日会

 風花は顔を仰向けていた。


  空を雲がいくつも流れていく。


今日はよく晴れていた。 遮るものが少ない山頂から見る空は、広く大きい。


  遠くから風花の名が呼ばれた。早く来るようにと急かされる。

 風花はあわてて夏澄たちの後を追った。


「おい、目を瞑って歩くのやめろよ」


  追いついたところで、飛雨の鋭い声が飛ぶ。 いわれて始めて気づき、風花は目を開けた。


「ごめんね。早く霊力が欲しくて。瞑想が癖になっていた」


「瞑想って、お前……」


「今日の風花はご機嫌なんだよね」


  夏澄がくすくすわらう。


「うん、だってお祝い……。ビー玉ちゃんのお誕生日会、どんなことするんだろうねっ」


  精霊たちが開く誕生日会なんて、全然想像できない。

 わくわくする。


 それに祝いができるのは、春ヶ原が平穏無事な証拠だ。

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