第4章 7話 なにをしてもいいんだよ
風花はあれから、夏澄とスーフィアに会っていない。
家に来るのは飛雨だけだ。
最近の夏澄の様子は全然分からないでいた。何日も立つと、想像することもできなくなる。
霊力を教えるのは、飛雨が適任なのだそうだ。
人の霊力のことは、人にしか分からない。
飛雨は黒髪で目立たないし、もしもの時は記憶が消せる。
「夏澄は今のところ平気だよ。オレやスーフィアがついているから、だいじょうぶだ。……まあ、なにかあったら、風花にも協力を頼むよ」
「ありがと……」
「あー、いいよなーっ」
急に、飛雨は声を上げた。
「現代文明に興味はないけど、布団は好きだよー。和むなーっ」
飛雨はばんばんとベッドを両腕で叩き、掛け布団に顔を埋める。
布団にくるまって、転がった。
風花は青ざめる。
あわてて目を逸らした。
飛雨は、風花を女と思っていないらしい。 だから、なにをしてもいいんだと力説する。
だからって、女子の布団に寝るのはやっぱりどうかと思う。
だが、かなり喜んでいるからなにもいえない。
「お前幸せだよなー。毎日こんなもんで眠れてー」
飛雨が間延びした声を出した時だった。
ドアをノックする音が響いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます