第4章 8話 星夜の訪問
「風花、まだ起きてるのか?」
兄の星夜の声だった。
風花には月夜と星夜の二人の兄がいる。
兄たちは双子で、一卵性双生児だが、口調が違うから分かる。
「うん、起きてる……」
飛雨は素早く立ちあがると、音も立てずクローゼットに入り込んでドアを閉める。
足自慢なだけあって、きれいな動きだった。
「なんか、話し声がしたから。開けるぞ」
「ま、待って……!」
風花はドアに駆け寄る。
途中でクッションを踏み、体勢を崩して四つん這いになった。
「どうしたんだよ」
顔を覗かせた星夜が低くつぶやく。 あわてたように手を差し出してきた。
風花が立ち上がると、室内を見回した。
「誰かいたみたいだったけど」
声、聞こえたんだと、風花は青ざめた。
動物が多い風花の家は、防音工事がしてある。だから油断していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます