第4章 2話 出そうと思うと……

 どうやって、霊力を出すの? 


  訊くと、飛雨は手を動かすのと同じ、と答える。


 手は動かそうと思えば自然に動く。 それと同じで、出そうと思うと出てくる。


  とにかく瞑想で心を落ち着けて、出そう出そうと思うしかない。


  飛雨はそんな雑な説明をくれるだけだった。


「そうだ。……念のため、手に力入れてみ」


  風花は腕を飛雨のほうに突き出し、いわれた通りにしてみる。


「光らねーな」


 闇の中、飛雨はつぶやく。


  少しでも霊力を放てば、手からオーラのようなものが出て光るらしいのだ。

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