第2章 37話 夏澄とローフィの出逢い

 ローフィは天の精霊殿に住む、陽の精霊の王の娘だ。


 蒼い瞳に、陽の光の色と同じ薄い金の髪。


 髪は腰まである柔らかいストレートで、陽を浴びると本当に光のように美しかった。


 数多い精霊たちの中で、一番きれいな少女だった。


 姫らしくたおやかで気品があったが、可愛らしい性質で、幼なげな笑顔が似合った。


 水の精霊の国の動物たちと、埃まみれになって遊ぶこともあった。動物たちも、いつも彼女にすり寄っていた。


 他の精霊たちも、彼女には強く魅かれた。


 必死で自分たちと親しくなろうとする彼女が、みんな大好きだったのだ。


 夏澄がローフィと出逢ったのは、彼女が気を失って、水の精霊の国の海に流れついたときだ。


 ローフィは、中立が原理の陽の国の方を守らず、何度も地上に降りて、出会った生き物を癒していた。

 あるとき、霊力を使い果たし、喪神して海に落ちた。


 そのとき、陽の精霊殿も追放された。


 そんなローフィの命を救ったのは、夏澄だった。


 霊力が元々強いローフィは、その分、多くの霊力を注がないと回復しない。

 夏澄は自分が倒れるほどの霊力で、ローフィを癒した。

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