第2章 38話 陽の精霊のお姫さま

 夏澄がローフィと並んで歩く姿は、本当に美しかった。


 夏澄の水色の髪と、ローフィの陽射し色の髪が、風になびいて重なる。


 重なると、薄い水色に染まり合う。


 なにより、想い合う違いの瞳が本当に美しかった。


 癒えた後の彼女は、今度は水の精霊の国のために尽力してくれた。


 夏澄の願いも叶えようとした。


 そして、夏澄と一緒に、水の精霊の国を元にもどす方法を探すため、国を出ていったのだ。


「スーフィア、反対なのか?」

「だって、霊力なんて簡単に身につくものじゃないでしょう」



「じゃあ、どうするんだ」


 スーフィアは答えられなかった


「今はは静観しか思いつかないわ……」

「どうするんだよ。夏澄がいつまで立っても楽になれないだろ」


「飛雨、本当に過保護」

「本当に本当に、過保護じゃないっ」


 飛雨は片手で頭を押さえる。

 夏澄がー、夏澄がー、と繰り返した。

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