第3章 41話 龍の契約と優月

「……ルーメン微生物がいれば、植物が完全栄養食になって、雑食動物を養えるの」


「やっぱり分からん。頭脳自慢か? 現代人は、ガッコで難しいこと勉強するね。いい御身分だね」

 

「……ルーメンとは、魔法のような言葉ですね」


 優月は微笑んだ。


「美しい言葉です。人の世界の話はふしぎですね。いい話をありがとうございます」


「精霊の世界のほうがきれいです」


「私の実が特別なのは、湖龍の一族と契約したからです。龍の力で、全ての生き物を養える力を実に宿してもらいました。対価を得る代わりに、実をいつでも湖龍に差し出すと誓いました」


 優月の言葉に、風花は黙り込んだ。


「優月さんは強いんですね」


 少しして、スーフィアが小さくつぶやいた。

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