第3章 36話 草花と立貴
蜜柑の木のとなりにある泉のほとりにも、少しだけ地面がのぞいているところがあった。
そこには、さっきのワンピースの少女がいた。
正座をして泣きべそをかいている。麦わら帽子をかぶっていた。
隣には、彼女を見張るように少年が立っている。腕組みをして、蜜柑の木に寄りかかっていた。
「先程は、彼女が無理難題を押しつけたようで、申し訳ありません」
優月が苦笑いした。
「ああやって、反省させておりますので。……彼女は、桃色しろつめ草の精霊で、
龍というだけあって、立貴はきつい顔立ちをしていた。
服も群青の和装で、草花たちと雰囲気が違う。
優月は白いスラックスと、立ち襟のシャツを着ていた。優雅で、どこか貴族のようだった。
「あの……、初めまして」
風花の言葉に、立貴は黙ったままだった。
軽く頭だけを下げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます