第3章 6話 飛雨の昔話
聞いても楽しくないぞと、飛雨はつぶやいた。
飛雨は、戦国武将の家臣の家の出身で、生まれたときから霊力を持っていたそうだ。
それを知っているのは母親だけで、他には秘密だった。
飛雨は弓が得意だった。
霊力を使うと、更に的中率が上がり、矢をかなり遠くまで飛ばすことができた。矢の速度も増した。
隠していた霊力だが、弓の訓練を重ねるうちに、いつの間にか周囲に知られていた。飛雨が十三才のときだ。それで父親に妖怪扱いされ、斬られ、海に捨てられた。
それをスーフィアが見つけ、夏澄に助けられたのだ。
「即死してもおかしくないくらいの、怪我だったんだぞ。夏澄はすごいよな」
他人事のように飛雨はわらう。
飛雨は気性が荒く、他者との関係も粗雑だった。
父親に捨てられたことですっかり荒み、夏澄を相手に暴れた。
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