第2章 20話 浄い精霊がいてくれる世界

「……わたしもそんな泉をもどす方法、探しに行きたい」


 風花はそっといってみる。


「ねえ、どこを、どんな風にして探すの?」


「そうだね、川や泉なんかの、水の系列の精霊のところをまわって話を聞いたり、木の精霊みたいに長生きする精霊に話を聞いたり、川や水脈の水の記憶を読んだりするのが主かな」


「他に、伝説や伝承も調べたりするわよ」

 スーフィアがつけ加えた。


「俺たちね、風花の町に調べに来るの、初めてじゃないんだよ」

 夏澄はなつかしげな声を響かせる。


「もう世界は周りつくしたから、同じ場所を何度も調べているんだ。……前に来たのは、風花が生まれる前だと思うけど」


「精霊さんは、いろいろとすごいんですね」


 風花は目を細める。


 そんなに長い間、捜し続けてくれて、精霊たちはすごく優しい。

 きっと、生まれながらにそうだ。


 そして、人よりもずっと優れている。

 とてもきれいな心を持っている。


 風花は夏澄たちのことを思う。


 救われたような気持ちになった。

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