第2章 16話 風花は願う

「霊力って、どうして? なにかあったの? 風花」


 夏澄が心配そうな顔をする。

 いつもの優しい瞳で、風花を見つめる。


 いい合いを始めたスーフィアたちから、距離をとって、すわり直した。


 風花のことも、すわり直させてくれる。


「そうじゃないけど、……夏澄くんの手伝いをするっていっても、わたしなにもできないし」


「そんこと、気にしなくていいんだよ」


「……それに、癒やしの霊力っていいなって。私も、みんなの怪我を治したいの」


 夏澄はなにかを考え込むように、黙り込む。飛雨のほうに視線を送った。


「飛雨、どう思う? 風花は霊力持てるかな?」

「……それはちょっと、あれだよ。霊力は普通、生まれつき持っているものだし」


 まあ、前例はあるけどと、スーフィアが続ける。


「そんなことは稀有で。……ごめんね、風花。不可能に近いと思う。それでも、がんばってみる?」


「はい、お願いします」


 風花は声に力を込めた。

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