第2章 13話 結界の中はきれいだね
「ごめーん。でも、すごくきれい」
波紋はそっと押しただけでも、広がっていく。ゆらゆらと虹色になっていく。
「夏澄くんたちって、本当にすごいよねー」
「だろー」
飛雨が自慢げに、風花のとなりに立つ。
「すごいだろ、完璧な結界なんだぜ。霊泉が夏澄に力を貸してくれたんだ。夏澄がいるから、協力してくれるんだぜ」
「さすが、夏澄くんだね」
「ああ、さすが夏澄だよ。……こっち来いよ、風花」
泉のほとりに、霧にけぶっている場所があった。飛雨はその方向に歩き出し、霧の中にすわる。
夏澄とスーフィアも同じようにすわっていた。
「おいでよ、風花」
夏澄が微笑む。
霧は、泉の下にある小川のほうから流れてきていた。
泉からあふれた水が、集まっている小川だ。小川はすぐ段差に流れ込み、そこが小さな滝になっている。
その滝の水しぶきが、霧に変わっていた。
霧は小川を遡って、泉のほとりに集まっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます