第2章 10話 三人のわくわく

「あっ、わたし書きたい」


 風花はノートを受け取る。

 三人で海に小旅行に行くと書いた。


「風ちゃんって、本当に水辺が好きだね。海に行くとずーっと波を眺めているし」


 あたしはねーと、ひろあはソプラノの声を響かせる。

 ケーキ食べ放題に行くと書いた。


「香夜ちゃんは?」


「私はどこかのお城で、和装体験なんかしたいな」

「海とケーキとお城かあ。全部行けたらいいね」


 それいいと、ひろあは声をあげた。


「海の近くのお城に行って、ケーキを好きなだけ食べるんだよ。そういうプランを捜そう」


「そんな場所、あるかな」


 香夜乃は苦笑する。


「難しいから、プランの立て甲斐があるんだよー。あたしに任せてっ。完璧なプランを立てるからねっ」


 ひろあは興奮気味にいう。

 そんなひろあの感情が移ったように、風花もわくわくしてくる。


「私はお城より、和装体験希望」


「分かった。あたしに任せてっ!」


 任せるねーと、風花は声を弾ませた。

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