第2章 8話 みんなでがんばろう

「日舞は夢だったしね」


「そうだよね。がんばらなきゃいけないよね」


 香夜乃は勢いをつけて、ベンチから立ちあがった。


「がんばろうか、ひろあ」

「う、うん。あたしも、貴人くんは大好きだしね」


 ひろあはいって、少しだけわらう。


「……わたしもがんばろう」


 風花はつぶやいた。


 せっかく、記憶を消さないでくれた夏澄くんのためにも、がんばらなきゃならない。

 ただの人間でも、きっと霊力くらい使えるようになる。


「なんで、風花までがんばるの?」


 香夜乃がわらい含みでいった。


「いいじゃん。みんなでがんばろー。んで、いつかお祝い会、開くんだよ」


 ひろあの明るい声が響いた。

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