第1章 22話 ねえ、わたしも……

「ねえ、わたしも霊力持てるようになるかな」


 風花は思い切って言葉にした。


 だが、小声過ぎたようだ。夏澄たちの反応はない。


「ねえ、わたしも……」


「どうしたの? 風花」

 夏澄が青い瞳を向けてきた。


「……う、ううん。なんでもない」

「そう?」


「本当に、なんでも。……ねえ、夏澄くんはさっき、川の中に入ってなにをしていたの?」


 風花はずっと気になっていたことを訊いてみた。


「あのとき、夏澄くん、霊力を使っていたみたいだけど」


「ああ、あれは……」


 いう夏澄に、スーフィアと飛雨が慌てたように顔を見合せた。夏澄を止めるように手で制する。


 夏澄は首を振って、やんわりそれを押しもどした。

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