第1章 7話 澄んだ瞳の精霊

 確かに風花は水辺が好きだ。


 学校帰りに通るこの川原、愛犬の散歩で行く池のある公園。この辺りで一番澄んだ水が湧く湧水群も、たまに行く。


 そこに本当に夏澄くんがいたの……? 


 やっぱりあんな風に優しく、水面を見ていたの?


 想像すると、どきっとした。


 遠くに立つ夏澄を見ると、体がふわふわ浮かぶように気が昂ぶる。


 わたし、今本当に精霊と一緒にいるんだ。


 風花はひざを抱え、夏澄とスーフィアに目を向けた。


 本当に澄んだ瞳をしている。

 言葉も立ち居振る舞いも優しげで、周りを浄化するように澄んだ雰囲気だ。


 印象深い、瞳と髪。

 夏澄は青い瞳と水色の髪をしている。スーフィアは海色の瞳に金の髪だ。


 スーフィアの腰まである髪はウェーブを描いていて、やわらかく、弱い風でもふわふわ揺れる。


 彼らが着ているギリシャ神話のような服もそうだ。重力がかかっていないように、さらっと裾が広がる。


 なぜか飛雨だけは、黒髪に黒い瞳。服も人と同じだ。だか、人の持っていない凛とした美しさがあった。

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