第1章、6話 無くした記憶
日が落ち始めていた。
昼のきらきら踊る光が、小さくなっていく。
スーフィアの言葉を、風花はじっと聞いていた。夏澄と風花が初めて逢ってから今日までのことを教えてくれている。
初めて逢ったのは、この川原。
今日と同じで風花は学校帰りだった。半年前のことだ。
それから、この町で一番大きな森の中の池。となりの市の湧水群、山近くの公園の小川。
夏澄が行く水辺には、風花も大抵来た。
その他にも霊木、海などでも逢った。
記憶を消されたのだから当たり前だが、風花はカケラも覚えていない。
半年前といったら風花はまだ中学生だ。
受験に卒業式、入学式。風花はひたすら走り抜けた。
あんな目まぐるしい季節の裏で、そんなことがあったなんて。
初めて逢った精霊に、風花は歓喜したそうだ。
狂喜が過ぎて合格祈願もしたらしい。
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