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 二〇二七年八月八〜一二日


 戦闘は依然、膠着し、三つの前線は僅か三キロの範囲を行き来していた。


 一方、損害は両軍とも加速度的に増加していった。特に機動歩兵部隊の損耗率が激しく、山岳部に散開する義体化兵の戦術情報網から成る防空網は東西で綻び始めていた。このため両軍は攻撃機や攻撃回転翼機、対地誘導弾を本格的に戦線に投入。さらに十日からは練度の低い動員兵が戦力の穴を埋め始めたことで、一日あたりの戦死者数はさらに増加した。


 死者、行方不明者数の総数、帝国側一三三五〇名に対し人民共和国側二八一三〇名。

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