第105話 俺の家へ
乃百合さんの話は続く。
「わたしも海定くんは、お父様の会社の後継者としてふさわしい人だと思っています。できれば婿養子・後継者になってくれたら、と思っています、でもわたしは海定くんの気持ちに従います。わたしは海定くんのことが大好きなのですから……。両親は、わたしたちの仲が、恋人どうしとして進んでいくのを一番望んでいます。よろしければ、明日の夜九時まで、海定くんと一緒にいさせてください」
と恥ずかしがりながら言った。
お父様は乃百合さんと俺との仲が深まっていくことが一番大切だと言ってくれたそうだ。
そして、俺のことをお父様は高く評価してくれているそうだし、乃百合さんも高く評価してくれている。
お父様から直接言われたことはあったけれど、乃百合さんからこうして伝えられるのはうれしいことだ。
俺の胸が熱くなっていく。
その気持ちに応えていきたい。
そして、乃百合さんは俺の想像以上に、俺への想いを熱いものにしてくれている。
ありがたいことだ。
今こそ、乃百合さんの熱い想いに応えなければならない。
乃百合さんとの結婚、そして、お父様の婿養子・後継者になること。
乃百合さんの熱い想いに応えていくためにも、この二点を受け入れていこう。
その為にも、今まで以上に努力していく!
俺は、
「俺は乃百合さんと結婚したいという気持ちをどんどん強くしていきます。そして、今まで以上の努力をして、婿養子・後継者としてふさわしい人間になっていきたいと思っています。今すぐには無理ですが、乃百合さんと結婚したいと思っています。そして、婿養子・後継者になることを受け入れていきたいと思っています。俺は乃百合さんが大好きです。きっと、乃百合さんを幸せにしていきます」
と力強く乃百合さんに言った。
「ありがとうございます。そう言ってもらえるとうれしいです。わたしも海定くんを幸せにするように、一生懸命努力します。わたしも海定くんが大好きです」
乃百合さんはそう言うと、しばらくの間涙を流す。
そして、涙を拭くと、
「でも無理だけはしないでくださいね」
とやさしく言った。
「お気づかい、ありがとうございます」
「体が一番大切だということは、わたしもよく理解していますし、海定くんもよく理解していると思います」
俺も前世では長生きができなかった。
今世では愛し合いながら一緒に長生きをしていきたい。
「そうですよね。お互い体は大切にしていきましょう」
俺たちは微笑み合った。
かわいい乃百合さん。
もっと先に進みたい。
恋人としての頂点の一つに到達したい。
俺は決断した。
恥ずかしい気持ちは強くなってくるが、それを一生懸命抑える。
「これから俺の家に行きましょう。俺も乃百合さんと一緒にいたいです」
と言って、乃百合さんの手を握った。
俺は、
「ご両親にも感謝したいです。ありがとうございます」
と言った後、
「俺は乃百合さんが大好きです。愛しています。きっと、乃百合さんを幸せにします」
と乃百合さんへの想いを、全力を込めて言った。
「わたしも海定くんが大好きです。愛しています。そして、海定くんを幸せにします。よろしくお願いします」
乃百合さんはそう言って俺の手を握り返してくれた。
こうして、俺たちは、俺の家へ向かった。
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