第83話 三人でご奉仕

 たった12ページを書き上げるのに、二週間を必要とした。

 ラフが完成したことで、一息つけると二人に告げたところで、俺は言葉に出来ないほどの気持ち良さの中に居た。


「……ぷはぁ」

「ふふ、ヨウニイ、可愛い〜」


 今日はスミレとユミが、ジュリアという三人目を迎えたことで、自分たちももっと構ってほしいと言い出した。


「ヨウイチさん、好きなだけ甘えてくださいね♪」

「う~ん、流石は姉さん。その豊満な武器はズルい」


 俺とスミレのやり取りにユミが頬を膨らませながら、自分の胸を持ち上げる。

 

 ジュリアがいないのは、仕事に行っているからだ。

 二人は夕飯を済ませた後から、イチャイチャと俺を両側から挟み込んだ。


「ハァハァ、ヤバい、ずっと甘えていたくなる」

「いいですよ。私の胸はヨウイチさんのものです」

「ヨウニイはもっと甘えて甘えて♪ ドロドロに溶けるくらいダメになっちゃえ♪」


 スミレとユミがいつも以上に俺を甘やかしてくる。

 これは、ジュリアという新しい女性が増えたことへの不満なのかもしれない。


「……おぉ」


 ちなみに今の俺はソファーに移動して、スミレに膝枕をしてもらって、その大きな胸を顔に押し当てて甘えている。

 スミレの右手は俺の頭を撫で、ユミの両手が俺の分身に優しく刺激を与えて、世の男子が羨み、妬むであろう光景になっていることだろう。


「ヨウニイは幸せ者だね」


 スミレに甘えさせることを委ねて、ユミが刺激を与えてくる。

 二人から送られてくるチグハグの行為に脳がバグって溶けていきそうになる。


 スミレから与えらえる安心感と、ユミから与えられる背徳的な刺激。


「ふふ、ヨウイチさんが甘えてくれることがとても嬉しいです。もっともっと甘えてもらってお世話をしたいです。ヨウイチさん気持ちいですか?」


 優しく頭を撫でるスミレの手は慈しみが込められ、頭に乗せられた豊満な柔らかさは気持ちよさがある。


「うん。凄い幸せだよ」

「……むぅ。なら私も頑張っちゃおうかな〜」

「うぐっ!?」


 ユミはスミレとは正反対の刺激をさらに強めていく。

 最初はウブだったユミが一番好奇心旺盛に、興味を持っている。

 微笑ましく見つめるスミレの視線と、蠱惑的なユミの手使い。


「ヨウイチさんを大切にしますからねぇ〜」

「うんうん。ヨウニイ大好きだよ」

「……ありがとう。二人とも」


 まさか二人からこんなにも愛されるなど思いもしなかった。

 若く美しいスミレに愛されたことだけでも奇跡だと思っているのに、さらに若いユミや、モデルのように美しいジュリアまで俺は本当に天国にでも来たのではないだろうか?


 あのストーカーにナイフで刺された時に死んだんじゃないか? そんな思いとは裏腹に顔と俺の分身に与えられる刺激は本物であり、絶妙なまでの刺激が俺を二人を求めるステージへと押し上げていく。


「ヨウニイのエッチ……」


 ユミから嬉しそうな声が聞こえてきて、愛に狂って暴走してしまう、


「夢の中でもヨウイチさんは私たちを求めてくるので、もっと私たちはしてあげたいです」

「……二人ともいいかな?」

「あ、そろそろですか?」


 これからの夢現な時間を思い描いて、スミレとユミから嬉しそうな雰囲気が伝わってくる。

 二人からメス特有の甘い香りが放たれて、体が火照って滾り始めているのが伝わってくる。彼女たちの体は俺を求めている。


「ただいま……」


 そこへジュリアも帰ってきて、三人の女性が俺を見つめる。


「ふふっ」

「まずは、お風呂にしましょう」


 俺は三人に連れられてお風呂場へと移動する。

 これはお決まりの流れであり、ジュリアも仕事帰りで汗を流したいことだろう。


 俺としては、どんなジュリアでも気にしないが、相手の気持ちを汲むことは大切だ。


「ヨウイチ、背中流すわね」

「ありがとう」

「なら、ヨウニイの前は私が洗う」


 ユミが屈んで手で胸を洗っていく。


「では私は頭を」


 スミレが横にきて頭を洗ってくれる。

 三人から一斉に洗われて時短されていく。

 俺の手は右手でスミレに、左手でユミの胸へと手を伸ばす。


「……もう、ヨウニイ我慢できないの?」

「ああ」

「む〜私も前にすればよかった」


 ジュリアが頬を膨らませて、抱きつくように背中を洗ってくれる。


「チュッ♪」


 ジュリアが、不利に見えて一番密着度が高い。


 ラフを描いただけで、三人からこんなにも甘やかされていいのだろうか? ユニットバスに流石に四人では入れないので、俺とユミが先に入って、二人が体を洗う。


「ねぇ、ヨウニイ」

「うん?」

「三人の女性も相手にしてるのに、しんどくないの?」

「ああ、不思議なのに今が一番元気だと思ってしまうんだ」


 三人から求められる日々は、幸せであり自分自身充実していて、仕事をしなくちゃいけないという気持ちを奪われていく。


 もうどんどん三人に溺れてしまう。


「三人がいて、俺は幸せだよ」

「よくばりだね。ヨウニイは」


 笑ってユミが湯船の中でイタズラを開始する。

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