第55話 好みは?
お金に困っているわけではないので、ユミさんのコスプレ衣装は見ている前でネット購入させてもらうことにした。
デザインやサイズなど、ユミさんがいる方が買いやすい
スリーサイズは、俺の胸に留めるとして、痩せ型なのに結構胸があるのは遺伝なのだろうか?
「ふふ、来るのが楽しみだね。発送まで三日だから、週末には届くからヨウニイにも見せてあげるね」
ついつい、猫耳と尻尾をつけて「にゃん、にゃん」と鳴き真似をしながら甘えてくるユミさんを想像してしまう。
「あっ、ありがとう」
くっ! スミレさんという超絶美人な彼女がいるのに、ユミさんのコスプレを想像してしまって、童貞男子のようの受け答えをしてしまった。
「ふふ、ヨウニイってやっぱり可愛いよね」
「うっ! それはどういう意味で?」
「うーん、だって、ヨウニイって仕事してたら集中しすぎてほっぺた触っても全然気づかないんだよ」
「えっ! そんなことしてたの?」
「してるよ! だって気づいてほしいじゃん。あのまま三時間ぐらいぶっ通しで仕事しちゃうって姉さんも言ってたよ」
うーん、自分ではわからないところで迷惑をかけていたのかもしれないな。
「それにね。私のいうこともちゃんと聞いてくれるし、甘えさせてくれるのも好感度高いよ」
美少女に好感度が高いとか、嬉しい発言すぎる。
「それにね。ヨウニイが甘えてくれるのも嬉しいなって思うんだ。私って姉さんや母さんみたいに大きくないでしょ?」
つい大きくないと言われて胸元を見てしまう。
普通にあると思う。
いや、先ほどスリーサイズを聞いたから、サイズはある。
「ヨウニイ、ガン見しすぎだよ」
「うっ! ごめんなさい」
「身長の話だからね。まぁいいけど。だけど、私も女だからさ、そういうところ見てるのってすぐにわかるんだからね」
女性は視線に敏感だって言うからな。気をつけなきゃ。
スミレさんは、俺の視線すらも喜んでいる節があるから、本当に外では気をつけないとな。
「よし、許してあげる。それでね。「ただいま〜」あっ! 姉さんおかえり」
「ユミ? きていたのね。いらっしゃい。今日はどうしたの?」
「ヨウニイが仕事モードに入ったって聞いたから、頭には糖分だって思ったからケーキを買ってきたの。姉さんのもあるから食べてね」
「ええ、ありがとう」
ユミさんは話を切り替えるのが上手い。
俺は、先ほどの視線で胸元を見てしまったこともあり、ついつい視線を逸らしてやましいことがないように演じてしまう。
「ヨウイチさん」
「はい?」
そっち近付いてきたスミレさんが俺の耳元で囁く。
「私の胸を見たければ、見てもいいですよ。恋人同士ですから」
バレている! やっぱり女性への視線は気をつけよう。
「それとハロウィンのコスプレ衣装の相談をしてたんだ」
「コスプレ? ユミは今年はコスプレをするの?」
「うん。するよ、友達にも誘われてるけど、ヨウニイに見せてあげようと思って」
「あら、それはいいわね。ヨウイチさんはどんなコスプレが好みですか?」
「えっ!」
ユミさんの時に妄想して甘え上手な印象から猫の想像をしてしまった。
だけど、スミレさんはグラマラスで美しく、それでいて清楚なイメージがあるからメイドさんはぴったりだった。後は修道女とか、看護師さんも似合うと思う。
そんなイメージ通りもいいけど、たまには別のスミレさんも見たいと思ってしまう。弁護士になるってことは普段はスーツを着る。
スーツ以外で、仕事着や好きなアニメのコスプレなんかも似合うだろうなぁ〜。
ヤバい色々なところに考えが飛んでまとまらない。
「ウサギかな?」
「ウサギですか?」
「うん。ユミさんに猫って言ったから同じ動物系なら、スミレさんはウサギ耳とか似合いそう」
ウサギと言った後に、バニーガールを思い浮かべてしまった。
真っ白な黒い服ではなくて真っ白なドレスのような服にウサギの耳と尻尾がついていると可愛いと思う。
「ヨウニイって獣属性?」
「なっ! いや、別にモフモフが好きとかでは?! 二人のイメージを想像していると行き着いたというか」
「ふふ、いいですよ。ヨウイチさんが喜んでくれるなら、してみましょうか? ただ、どんなイメージなのかわからないので、ヨウイチさんが購入してくれますか?」
ユミさんとスミレさんのコスプレ衣装……。
眼福で幸せすぎるかもしれない。
美人姉妹がコスプレをして並んでいるだけで見惚れてしまう。
「ヨウニイが書いているイラストには獣人とか出てこないの?」
「ユミさんはラノベを知ってるの?」
「うん。たまに読んだりするよ。最近は悪役令嬢物とか、少し前なら獣の奏者とか好きだよ」
スミレさんはそっち系を知らないと言っていたけど、ユミさんは知っているのか。やっぱり姉妹でも好みは分かれるんだな。
「今のところは出てこないけど、今後の資料に二人のコスプレを撮影させてもらえると嬉しい」
「ふふ、ヨウニイのエッチ。仕事を口実に撮影会とか、なんだか悪い人みたい」
「うっ! だっ、ダメ?」
「ダメじゃないですよ。ユミもからかって遊ばないの」
「は〜い! ヨウニイ、私もいいよ」
ヨッシャ! 俺は心の中でガッツポーズをする。
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