無事“中間選考突破!!”
某日。自作は中間選考を突破した。結果が出るまでドキドキが止まらなくて、そして通知が来たときには本当に泣きそうになった。
前述のとおり私は初めての公募である「電撃小説大賞」にて一次選考すら通らなかった苦い思い出があるので、余計に今回の内定通知は喜びの反動が大きかった。
通過した作品は、ロングストーリー部門に応募した三作品である。
・星の海
・月光
・月光〜SONATA quasi una FANTASIA per il Clavicembalo o Piano - Forte
ロング・ショート合わせて十二作品応募し、ロングストーリー部門において三作、通過することができた。
カクヨム甲子園をきっかけに知り合い、仲良くなった同年代の作家さんの作品もたくさん通過していて、自分の作品を見つけたときと同じくらいの喜びがあった。
今回のカクヨム甲子園でいちばん評価をいただくことができた「月光」は、本当に思い入れが強かったので、選考を通過していてすごく嬉しかった。
逆に、ないものを探すのも苦しかった。
ショートストーリー部門では七作品応募したが、全て落選。せめてどれかひとつ通っていてほしかった。
あれもないこれもないと、ない作品を探す時間は心臓が圧迫されたかのような気色悪さがあり、何度も何度も通過作品の一覧を確認し続けてやっと、本当に落ちているんだと受け入れたほどである。
なにがダメだったんだろう。あんなに頑張ったのに。あんなに削って削って、魂をすり減らして書いたのに。あの作品と私の作品はなにが違うのだろう。
三作品通過した喜びと九作品落選した苦しみは表裏一体に心に同居していた。
私よりもたくさん通過している人がいる。その作品を読みに行って、「ああ」とひとりで納得したり。
応募期間中はそれこそたくさんの方が読んでくれて、感想をくれて、応援をくれて、フォローしてくれて、星もレビューコメントもくれた。それに支えられていた。
だけど、作品の優劣は星の数ではない。PV数でもない。いくら読まれたからといって、実際落ちていった作品がある。中間選考の結果は残酷に作品をふるいにかけ、そして知らしめた。
──この作品は落ち、あの作品は通った。通過した作品には通過に値する力があり、それ以外にはなかった。
落ち込んだのは自分の作品が通過していなかったことだけではない。
創作仲間の作品、面識はなくとも期間中のランキングで見かけた時からずっと気になっていた作品、読んで感動と同時に戦慄を覚えた作品。
なぜ、通っていないのだろうという作品が山ほどあった。私はあの作品好きだったのに。
だけどそれは傲慢だと知った。創作仲間のXでのつぶやきを見てから「ああ、これは傲慢だ」と気づいた。
もう落ちていった作品のことは考えないようにした。私は中間選考を突破することができたのだ。今はその事実だけでいい。
今このエッセイを書いている現在、日付は2023/12/18。最終選考の結果発表は22日。
例により、私は自作が最終選考にまでこぎつけ、あわよくば受賞まで果たすことができたのかどうかを知らない。
前話と同じく、残念な結果に終わったら次のページは後書きとなる。
今はただ祈ることしかできないでいる。あの夏わたしは、たしかに本気を捧げた。その力が及ぶのかどうかは分からない。
タイトルにそぐわない締めくくりになってしまったが、残り数日、私はあの夏の熱を信じてただ結果を待つのみである。
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