第16話

下着姿の璃々に俺の上着を渡し着させる。

眼前にはこちらを警戒している毒島。

立場は完全に変わり毒島達にはもう何も出来ない。

本来ならやった事への落とし前をみっちりつけてやりたい所だが残念ながら今は時間がない。

毒島をとっとと無力化して愛陰会に魅李を探させなければ。


「つーわけで先輩には悪いですけど両手足の骨を折るぐらいにしときますわ」

「ち、調子に乗ってんじゃねぇぞ…」


圧を掛けて近づく俺に対抗するべく毒島は懐からナイフを取り出した。


はっ、見苦しいな。

苦し紛れにナイフなんか出してきやがって。


毒島が取り出したナイフは銃刀法がなんぼのもんやねんという奴の心意気を表現するかの様に大きく分厚かった。


今や奴の手下は下で純一達に制圧されている。

残るはこいつだけ。

人質だった璃々も取り返した。

あいつの心の拠り所はもうあの手に持ったナイフだけ。


そう、あの殺傷能力の高そうな…ナイフ…だけ…


「せ、先輩…」


急に黙って歩みを止めた俺に後ろから璃々が声をかける。

俺は後ろ歩きをして彼女の横まで移動する。


「大丈夫だ、璃々。ああいうのはな、訓練のしていない素人が使っても当たらないものなんだよ。」

「いや、拳銃とかだとアニメでそういうの見ますけど…ナイフは関係ないんじゃ…」


おずおずと俺に忠言する璃々。

全くもってその通りだ。

ふざけんな。

あんな法律違反のナイフを高校生が手軽に手に入るようなクライムシティだったのかこの街は。


「な、なんだ来ねぇのかビビリが…。ならこっちから…」


距離を取って璃々と話をしていると今度は毒島がジリジリと距離を詰めてきた。

詰めてきた分距離を開ける俺達。


まずい。どうする。

一旦逃げるか。


幸い下に降りる階段はこっち側にある。

逃げるのに支障はない。


だが下の階には純一達がいる。

もし下の階にいるあいつらが急に現れた凶悪犯に気が動転して逃げ遅れたら…。


俺は最悪の想像をする。


しかしこの場で何とかしようにも一か八か向かっていくのもかなり危うい。

そもそも体格差のある毒島からナイフを安全に取り上げるなど志島でも難しいだろう。


「まあ、落ちつけよ先輩。あんたまともじゃないぞ。」


俺はナイフを持った手の震えを抑えようとしている毒島を見て説得する方向に切り替えた。

そうだ。毒島も人殺しになどなりたくないはずだ。

こんな野郎の気持ちを鑑みて説得するなど癪だがやるしかない。


「婦女暴行に拉致監禁。その上殺人なんて・・・。あんた自分の人生台無しにする気かよ。」

「やってやるやってやるやってやるやってやるやってやるやってやるやってやる」


ふぇーんお兄ちゃん怖いよー。


俺の言葉に耳を貸さずに何やらぶつぶつ呟く毒島。

完全にやる感じだった。

俺はこの男にこんな恨まれるような事をした覚えはないんだが。


「な、なあ毒島先輩よぉー、よく考えてくれよ。俺あんたにここまでの事される程何かした覚えないぞ?ちょっとあんたのタチの悪いナンパを邪魔しただけじゃねぇか。それなのに女拉致ってそんなもんまで出して…。冷静になれよ。」

「うるせぇ!」


俺の言葉にナイフを突きつけて反論してくる毒島。


「俺はてめぇがした事をやり返してやろうとしただけだ!」

「は、はぁ?」


皆様意外に思われるかもしれないが俺は婦女暴行と拉致監禁の前歴はなかったりする。


「何言って…」

「美鈴にしてる事を俺が知らないとでも思ってんのか!」


美鈴?

もしかして白峰美鈴の事か?

何故ここで白峰が出てくる。


「彼女が純粋で何も知らないのを良いことにセンセー面して随分楽しんでいるみたいじゃねぇか!」


そういえば少し前にこいつに白峰との関係を誤解されるイベントがあったのを思い出した。

その事を言っているのだろう。

しかしそうだとして。


「そうだとして先輩に何か関係あんのか?」

「っ!・・・」


問いかける俺に押し黙る毒島。

俺も俺で問いかけたものの奴の言動から理由は一つしか思いつかなかった。

しかし俺は自分の考えを信じる事が出来なかった。

何故なら目の前の男は寝取られゲームの間男のクソヤンキーだ。

こんな奴が自分の惚れた女を俺に盗られた事で暴走しているなどと思いたくなかった。

だが俺の気持ちとは裏腹に奴はナイフをこちらに突き付けて俺にがなりたてる。


「うるせぇ!うるせぇんだよ!・・・俺は美鈴を汚したお前を許さねぇ。てめぇには同じ気持ちを味合わせてやる。その女をてめぇの目の前で犯してなぁ!」

「あの時の口説き文句マジだったのかよ・・・」


毒島は白峰をナンパする際に彼女だけは特別だと言っていた事を思い出す。

ナンパのくだらない常套句だと思っていたがどうやらそうではなかった様だ。


「てめぇが汚ねぇ性欲の赴くままに汚した美鈴はなぁ・・・、昔地元じゃ悪童って遠ざけられていた俺に優しくしてくれた。俺にとって初恋の女なんだよ」


おそらくゲーム内でも明かされていなかったであろう寝取られゲームのヒロインと間男の関係性に驚いている俺をよそに毒島は自分語りを続ける。


「街で偶然美鈴を見かけた時、ただ似ているだけだと思った・・・だけど驚いたぜ。まさか本当に美鈴だったなんてな。運命の再開だと思ったよ。産まれて初めて本当に心の底から付き合いたい。自分の女にしたいって思った。」


悲劇の主人公の様に自分に浸った様に美鈴の話をする毒島。

内心イライラするが未だこちらに突き付けられているナイフの所為で黙って聞くしかない。


「だがてめぇが全て台無しにしやがった!」


喋っていて怒りが蓄積されたのか興奮した様子で俺に怒鳴る毒島。

まさか間男にBSS(僕の方が先に好きだったのに・・・)されるとは・・・。

しかし誤解だ。


だが今の毒島に何を言っても意味はないだろう。


「いや、毒島先輩よぉ~。それを言うのが純情ボーイだったら俺も素直にごめんねってなるけどさ。あんた平然と他人の女寝取る様な奴だろ?人に言える立場かよ」

「う、うるせぇんだよ!」


やんわりと正論を伝えると毒島は激昂してナイフを振り回してこちらに近づいてくる。


璃々の肩を掴んで一緒に後方へと下がる。

璃々の体は震えていた。

貞操の危機から今度は命の危機である。

しかも俺のとばっちりで彼女はこんな目にあっている。

中学の頃から彼女はかなり不幸な目にあっている。

こんな時なのに思わず憐憫の目で見てしまう。


仕方がない。覚悟を決めるか。


俺は璃々に後ろに下がる様にジェスチャーで伝えて毒島と相対する。


「先輩!」

「まー、心配すんな璃々。」


俺はワイシャツを脱ぎ更にズボンのベルトを外した。

右手にボルトを持ち、左手にワイシャツを持つ。

俺の行動に毒島が引き攣った顔になる。


「何してんだ変態野郎?俺にそっちの趣味はねぇぞ。」


俺もねぇよ。


即席の鞭と盾のつもりだった。

盾は心もとないが鞭の方はリーチではこちらが勝る。

こちらの攻撃を無視して突っ込まれたら意味はないが牽制にはなるだろう。


「璃々・・・。俺が突っ込んだら下にいる純一達をここから逃がしてくれ。」

「せ、先輩も一緒に・・・」

「・・・頼むぜ。」


璃々の懇願を無視して深く深呼吸をする。

脳裏に自分が刺されて死ぬ姿がよぎる。

その悪い想像にあえてより深く浸る。

心臓、頭を刺されて廃墟でくたばる自分の姿を想像すると心臓がバクバクとする。

アドレナリンが体内で過剰に分泌され興奮していくのが分かる。

恐怖が薄れていく。


「美鈴ちゃんは・・・」

「あっ?」


眼前の敵の興味を引く名前を出して俺の言葉に注意を引き付ける。

両足に力を籠める。


「股の付け根にほくろがある!」

「・・・はあ!?殺すぞボケが!」


俺は白峰に惚れている毒島に彼女のマル秘情報を伝えると同時に突っ込む。

虚を突かれた毒島の体が硬直しているのが分かる。

一気に距離を詰めてベルトを持った手を振り上げて思いっきり毒島に向けて叩きつける。


「っぎ!クソがぁ!!」


無駄に根性を発揮して痛みを堪えた毒島はこちらに向かってナイフをしっちゃかめっちゃか振り回しつつ近づいてくる。

俺は距離を取りつつ同じ様にベルトを振り回す。

大丈夫だ。リーチはこちらの方が勝っている。

痛みで毒島の気をそいで動きが悪くなった所を制圧すればいい。


だが俺の甘い考えとは裏腹に毒島は何度ベルトで叩いても勢いが止まらずに近づいてくる。

そしてついには俺を壁際へと追い詰めた。

くそが、魅李に手を出そうとした時は大人しく引いたくせに。

迷惑にもこいつは本当に白峰に惚れている様だった。


散々女を弄び幸せカップルを崩壊させてきた奴が純情ぶりやがって。

内心憤る俺。

まあ俺ら愛陰会も数多くのカップルを破局へと導いたがそれはそれ、これはこれである。

それにこっちはある意味後腐れなく破局にしている。

大抵女にはウジ虫を見る様な目で見られ男には怨嗟のこもった目で見られる事になるが。


今まで恨みを買った男たちの誰よりも恨みが籠った目で俺を見る毒島。

じりじりと壁際に追い詰められた俺と距離を詰める。


俺がベルトを振りかぶった瞬間突っ込んできそうだ。


動悸が激しくなる。


璃々はちゃんと純一達を逃がしてくれているだろうか。

純一あたりが俺を心配して加勢に来てくれないだろうか。


弱気になった俺は都合の良い想像に思いを巡らせてしまう。


こんな所でこんな奴にふざけた理由で殺されてたまるか。

自分の心に喝を入れて俺はベルトを振りかぶる。


「あああああああああああああ!!!」


予想通りそれを契機にする様に毒島がナイフを両手に握り突っ込んでくる。

それを見て振りかぶろうとしたベルトを途中で離しもう片方の手に握りしめていたワイシャツを両手で持つ。


そして奴のナイフが向かってくる先に丸めたワイシャツを構える。

頼む間に合ってくれ!


体に伝わる衝撃。


「ぐっ!」

「ああああああ!!」


何とかナイフを止めようとする俺。

その俺に奴のぶっとい物をねじ込もうとする毒島。


俺は叫んで勢いに任せて腹にナイフを差し込もうとする俺の眼下にある毒島の後頭部に向けて頭突きをかます。

毒島の手は離れない。

もう一度勢いをつけて頭突きをする。

離れない。

もう一度。

より強く。

叩きつける。


しかし毒島の手は離れない。


十数回自分の頭を叩き付けてようやく毒島の体は崩れ落ちた。

俺の額からは血が流れだしていた。


荒くなった呼吸が収まるのも待たずに俺は崩れ落ちた毒島の体から璃々の携帯を探し出す。

携帯にはロックが掛かっていた。

俺と璃々が初めて交わった日付を入力するとロックは開いた。


メッセージアプリを開いて俺の携帯では着信拒否されていた愛陰会の幹部の1人に電話を掛ける。


ワンコール目の途中でそいつは電話に出る。


「はい!貴方の忠実なる柴崎でございます!」

「おい馬鹿。俺を追いかけている愛陰会の連中に魅李ちゃんを探すように伝えろ。」

「なっ!?その声は…元締め!何故璃々たその携帯を………まさか!」


勘違いをした幹部の柴崎が耳元で妄想を撒き散らそうとするのを怒鳴って遮る。


「遊んでる時間はねぇんだよ!良いから言う通りに…」

「きゃあああああああ!!」


そして俺の怒鳴り声はまた別の悲鳴によって遮られる。

声がした方を向くと璃々と純一がいた。

なんだ、やっぱり来たのか。

俺は苦笑する。


璃々は顔面蒼白の凍りついた表情で俺に駆け寄ってくる。


「せ、先輩!お腹に、お腹から血が、ナイフが…!」


璃々は俺の腹に刺さったナイフを見てパニックになっていた。

結局毒島のナイフを完全に止めることは出来なかった。

肉体から血液が流れ出ていくのが分かる。


「落ち着け璃々。そこまで深く刺さっちゃいない。」

「いや、先輩、病院。し、死なないで…!」


俺の言葉が聞こえてない様子の璃々。

純一の方に目をやると奴も顔を青くしていた。


「きゅ、救急車呼ぶから大人しくしてろ縁助!」

「待て!魅李ちゃんの安否の確認が先だ!」

「いやいや、はぁ?お前何言ってんだよ。」


血を流す自分の事より魅李を優先しようとする俺に唖然とする二人。


「魅李ちゃんともさっきから連絡が取れない。璃々と同じ目に合ってるかもしれないだろ!早く見つけないと!」

「それよりまずはお前だろ!それに今日は魅李はバイト………あっ」


焦る俺を宥めようとする純一がポロリとそんな事を漏らした。

奴の顔はしまったという顔になっていた。


「バ、バイト…?」

「いや、ああー…、これ後で怒られるな…。いやしょうがないか。」


問いかける俺に純一は罰の悪そうな顔で後頭部をかく。


「魅李バイトしてんだよ。そんで今日はそのバイトの日。」

「いや、は?え?………ど、どこで?」

「駅前の喫茶店だよ、ほらなんだっけホーアカフェだっけ。」


そのカフェなら知っている。

腹部の刺し傷とは別の要因で心臓の動きが激しくなる。

以前魅李が働こうとして俺が止めたカフェだ。

寝取られゲーの間男が経営するカフェ。

そこで魅李がバイト?

俺は何も聞いていないぞ。

魅李からも純一からも監視に付かせていた愛陰会の連中からも。


「な、なんで俺は知らないの?」

「えっ?ああ魅李がバイトしてた事?いやあいつに教えるなって言われてたからさ。あ!勘違いするなよ!お前が嫌いとかそういう話じゃないからな!それに今日・・・」


頭が混乱し、足元がグラグラする。

純一が何か喋っているが頭に入ってこない。

俺は震える声で純一に尋ねる。


「い、いつから?」

「えっ?・・・えーっと確か2か月前からかな。」


終わった。


気力を失った俺はその場で立っていられず膝をつく。


「え、縁助!」

「先輩!」


純一と璃々が俺を慌てて支える。


【俺は今日も学校に行かず繁華街の道沿いに座り込んで通り過ぎる人々を眺めている。学校に行く気も家に引きこもる気も起きなかった。目の前を通りすぎる学生二人の会話が聞こえてくる。「その話まじかよ?」「マジだって!先輩から聞いたんだけど、あの駅前の喫茶店で裏メニューがあって金出せばあの美人の店員さんとヤレるんだってよ!」「マジかよ!」「結構有名な話で週一で常連達と乱パしてるって噂だし。この前何て殆ど裸みたいな恰好で給仕してたぜ!」興奮した様子で会話をしていた学生二人はそのまま何処かへと向かっていった。今話していた喫茶店に行くのだろう。俺の幼馴染が働いているあの喫茶店に。俺は幼馴染が街の男の性処理人形へとなり下がったあの日を思い出す。あの喫茶店には俺も通っていたのに何故俺は気付かなかったのだろうか。もし俺が気付いていたら今とは違う結末になっていたのだろうが。どうしようもないIFを考える自分に自嘲する。そういえばこの前、親友である縁助が最近あの喫茶店がある通りの近くで通り魔に襲われて死んだ。この街は俺の大事な物をことごとく奪っていく。この街を去ろう。俺は大切な幼馴染に心の中で別れを告げる。大丈夫だ。だって最期に見た彼女はとても気持ちよさそうに笑っていたのだから。俺は言い訳をして本心に蓋をして立ち上がった。】


頭の中にいつか見た寝取られエンドのエピローグが流れる。

涙目でこちらを見る純一と璃々を見る。


2か月。


寝取られゲーのヒロインを堕とすには十分な時間だ。

もう既に魅李は寝取られている。

俺は死ぬ。

俺の十何年の人生が終わる。

家族は泣くだろう。

俺に依存している璃々は大丈夫だろうか。

純一は暗い人生を歩む事になるかもしれない。

魅李は、魅李はどうなるのだろう。

まともな人生とはならなそうだ。


だが、俺とは違い彼らにはまだ未来がある。

それがどんなものであれ。


全てを投げ出そうと考えそうになった自分に喝を入れる。


「純一・・・。」

「なんだ?というかお前もう喋るな!救急車呼んだから大人しくしてろ!」

「まだ、魅李ちゃんが乱交パーティしている所は見てないんだな?」

「・・・はぁ?」


俺の言っている事は分からずに困惑した顔になる純一。

まだゲームは終わっていない。

まだエピローグじゃない。


「お前・・・、魅李ちゃんの働いているカフェに行け。愛陰会も言う事聞くようなら連れてっていい。彼女にあそこを辞めさせろ。今すぐに」

「いや、何言って」

「いいか!何があっても。彼女がどんなにその時充実してそうでも無理矢理彼女を取り戻せ!」


何か言おうとした純一の言葉を遮る。

無理もないが純一に理解した様子はない。

こんな事をしても俺の運命は既に決まってしまっているかもしれない。

だが、だからといって今後もどんな形であれこの世界で生きていく彼らの為に何もしない訳にはいかない。

ここはゲームが元の世界だがゲームじゃない。

純一達は大切な親友だ。


「・・・お前が行かないなら俺が行くぞ。」

「そんな身体で行けるわけねぇだろ!・・・分かったよ。正直何言ってるか分かんないけど魅李のバイト先行ってくる。だからお前も大人しく病院行けよ!」


俺の言葉は事情を知らない純一からすれば狂人の言葉だったろうが俺の頼みを純一は聞いてくれた。


純一は走ってこの場を去っていった。


今度は泣いて俺に寄り添う璃々を見る。


「ごめんなさい。ごめんなさい。」


璃々はただ泣いて俺に謝り続けていた。


彼女が謝る理由はどこにもない。

今回だって、何時だって璃々は被害者だった。


「璃々・・・」

「先輩?」

「乗り越えようぜ、一緒にな。」


もう手遅れかもしれない。

一度起きてしまった事は、壊れてしまった物は二度と取り戻せないかもしれない。

しかし、それが諦めたり投げ出したりする理由にする必要はない。


今ここで血を流して死ぬことが俺に決められた運命なのかもしれない。

しかし、俺はクソくらえという気持ちで救急隊員が来るまで意識を保った。


純一は上手く動いてくれるだろうか。


救急隊員に担架に乗せられながら結構大きな不安を残して俺は意識を堕とした。












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