海外エロゲでは近親相姦が出来ないと炎上するから気を付けろ。(美咲視点)

兄貴を玄関で見送った後、私は彼の自室へと向かう。

昔は父の趣味の部屋だったが兄が中学生になるタイミングで彼の部屋となった。

その前までは私と兄は同室で暮らしていた。

良く整理されているその部屋をきっと高校の同級生が見たらびっくりするだろう。

兄の部屋には本が沢山ある。

小説は少なく投資の本や資格の本が大半だった。

兄は昔から勉強家だった。

高校も県で一番の進学校に行くはずだった。

だが兄は急に進路を根野鳥高校という大して偏差値も高くない学校へと決定した。

理由は明確だった。

あの女だ。

中里 魅李。

兄を狂わせた元凶だ。

2年前、兄はあの女を下衆男の魔の手から救った。

私はその事でより自分の兄を誇らしく思った。

私の兄貴は賢くて優しいんだ!

だけど、兄はその日を境におかしくなってしまった。


急にセクハラの様な言動をするようになった。

確かに年頃の男子らしくふざける事は今までもあった。

だけどそれはおふざけの範囲で人を笑わせるための物だった。

女子からは不評だったけど。

しかし友達は私の兄を羨ましがった。私がよく自慢をしていたからだ。

頭がよくて優しくて格好良い兄だと。

だが今や私に対して兄の話をしてくるのは私への同情と兄への嘲笑しかない。

兄には何度もやめる様にいった。

昔の様な兄貴に戻ってほしいと。

しかしそれに対して兄は誤魔化す様に笑うだけで取り合わなかった。

兄の事が理解出来なかった。

そして私は最悪の機会に兄の真意を知る事となった。


その日私は友達と遊びに出かけていた。

しかし、雨に降られて早めに解散する事となった。

家に着いた頃に本降りとなり雨音が轟音を立てている。

解散の決断を早めにして正解だったと私はその時思った。

玄関に知らない靴があった。女の子の靴だ。

誰のだろう。

代わりに両親の靴がなかった。

そういえば高校の頃の同級生に会ってくるって言ってたっけと私は思った。

ということはこの靴は兄の友達の靴という事になる。

あの女だろうか。

私はリビングへと行くが誰もいない。

部屋にいるのか。

私は洗面所で雨に濡れた体を拭いて自室に行く。

兄の隣の部屋だ。

そして兄の部屋側の壁に貼られているポスターをはがす。

そこには小さな穴があった。

ここから兄の自室を覗く事が出来る。

言い訳をさせて貰うと私が兄の部屋を覗く為に開けたわけではない。

まだこの部屋が兄と共同だったころに一緒に遊んだ際に事故で出来たモノだ。

何にせよ私は気になってその穴を覗いた。

見える範囲が狭いが女がいるのは分かった。

あの女ではない。誰だ。

雨音で話し声が聞こえづらい。

代わりに彼らは私が帰ってきた事に気付いていないが。

しかし、様子が変な事は分かる。

兄とその女は揉めている様だった。

「・・局・・・李・輩・・・」

「・・・・違・・・俺・・た・・・」

何をしているんだ。

私は全てが見えない事と不明瞭な会話にイライラした。

一旦穴から顔を外し兄の部屋に直接乗り込もうか考える。

ジュースをもって乱入しよう。

私はリビングへと行ってコップにジュースを注ぐ

「あああんんっ!」

兄の部屋から雨音の壁を打ち破る嬌声が聞こえてきた。

私はジュースをテーブルに置いたまま部屋の方へと戻る。

兄の部屋からは継続して女の叫び声が聞こえる。

何を、しているんだ。

私の頭の中で警鐘が鳴り響く。

見るべきじゃない。

自室の覗き穴から見ることはできないと思った私は兄の部屋の扉を気付かれないようにそっと開けて覗き込む。

見るべきじゃない。

見るべきじゃなかった。


兄は、ベッドの上で私の知らない女にマウントを取られていた。

粘液が擦り合わせるような音がする。

音の発生源は彼らの腰辺りで結合している所からだ。


私はその行為の意味を知っている。

しかし私の知らない女と兄がその行為をするのは現実とは思えなかった。


私は呆然とその光景を眺める。


「ぁ…くぁ、なに、これ全、然違う…、ダメ、無理。」

「璃、々…や、やめろ。」

「あ、ぐぅう…な、何言ってるんですかせ、先輩。先輩だけ綺麗なままでいようだなんて…そんなこと許されないですよ。」


彼らの会話で兄は望んでその女と繋がっている訳ではない事が分かった。

しかし私は割って入ることが出来ずにただその光景に釘付けになった。

女が動き始め、艶かしい声が大きくなる。

その欲に溺れた女の声の隙間に時折私の兄の快楽に耐えきれず漏れ出た声が混じる。


心臓がバクバクする。

私の兄が無理矢理知らない女に犯されている。

止めなきゃ、止めなきゃ、止めなきゃ。


「先、あぁぁ。先輩だって気持ちよさそうな顔しているじゃないですか。素直になりましょうよ。一緒に堕ちてください…。」


嘘を、嘘をつくな。

私の兄はお前の様な淫乱じゃない。

ただ優しいから。抵抗出来ないだけだ。

止める。止めてやる。私が兄貴を助けるんだ。


そう決意して固まった身体を動かそうとする。


そしてその瞬間、目の前の光景にも変化が訪れる。


ベッドの上で寝そべっていた兄が身体を起こした。

それにより初めて見えた兄の顔は私が見たことない顔をしていた。

私に優しく微笑んでくれた兄貴。

わがままで思い通りに行かずに泣いてしまった時には困った顔で抱きしめてくれた。

本当に危ない事をした時は怖い顔で怒ってくれた。

私が十何年見てきた兄の表情の中にはなかった。あんな蕩けきった淫らな顔は。

まるで目の前で腰を振るいやらしい女が先程からしている様な。


嘘だ。

私は目の前の現実から逃げたくなった。

しかし身体は動かない。

私をよそに彼らの情事と会話は続く。


「は、はは。猿渡先輩って魅李先輩が好きなんですよねぇ!」

「ぅ、ぐっ、別にす、好きじゃねぇーし。」

「う、嘘をっ、言わないでください。あ、あの急に変わったってい、言われている変な言動ってっ、み、魅李先輩のためですよねえ」

「な、何を言って…ぅうあ」


魅李。兄が助けたあの女だ。

あいつがどうしたというのだ。


「魅李先輩の噂を消したかったんですよねぇ、ゴリ豚に調教された淫乱なんだって言われてたから。」

「ち、お、違うっ…、そんな理由じゃねえ。」


兄は否定するが言葉に詰まった様子にそれが真実だと悟った。


確かにセクハラの様な言動は魅李という女に集中して行っていた。

そしてあの女の噂は私の耳にも流れてきていた。

サッカー部の先輩から聞いたと教室でクラスメイトが言っていた。


「せ、先輩が、んんぅ。魅李先輩にあしらわれている所を見てだいぶ噂は減ってきてますぅゔうよぉ。この前なんか突き飛ばされてました、うんっ、もんねぇ。」

「お前なんか勘違いっしてるぞ。」

「それでも近づいてくる男は、ぁあん。先輩が完璧に守ってますもんねぇ〜。」


そうか、そうだったのか。

ようやく私は兄貴の不可解な行動が腑に落ちた。

優しい兄貴らしい理由だ。

でもなんで?

あの女は他人だ。

家族の私が辞めて欲しいと言ったのに何故辞めないの?

目に映る兄を犯す獣はそれはあの女が好きだからと言った。

兄は私より魅李という女の方が大事だから私の言葉を無視したって事?

嘘だ。

兄は昔から私が1番大事だと言っていたんだ。

嘘だ。


「で、もぉ〜、残念でしたぁ!先輩の初めての人は魅李先輩じゃなくて私です!…それにぃ、私達って身体の相性抜群♡みたいですよぉ。あのゴリ豚に入れられた時は何にも感じなかったのに…、もぅ、意識が切れそうなぐらいイキっぱなしです♡」


明らかにハイになった様子のその女はうっとりした様子で兄貴から離れる。

終わった?

ようやく地獄の光景が終わった思い私の疲弊した心が少し安心する。


女の股から何か白い液体が垂れている。


「先輩も………何回もだしてくれてますもんね♡」


あれ、あれってあそこに入っちゃまずいんじゃ。

私は保健体育でならったことを朧げに思い出す。


そして奴は机の上にあった使い捨てカメラを手に取りレンズを自分と兄貴の方を向けてボタンを押した。


カシャッ。


「獣に汚された私と、堕ちた獣に汚された先輩♡………これから私達、一緒に堕ちて行くんですよ?魅李先輩とじゃなく。」

その女は兄貴から後ろを向いて腰を突き出す。

「じゃあ…次は先輩から来てください。」


彼らの情事は雨が止むまで続いた。

私はいつの間にか部屋で気絶する様に眠っていた。

頬が涙で濡れていることが分かった。

その時私は間抜けにもようやく分かった。

私だけの優しい兄貴はもういない。

魅李、璃々。この2人に取られてしまった。

精神的にも肉体的にも。

その事実を認識し私はまた涙を流した。



兄の部屋にいるとあの時の光景を思い出す。

私は自分の携帯に通知が来ている事に気付く。

璃々からだ。


言葉はなく動画だけが送られてきた。


動画には蝋燭を垂らされながら犯されている兄の映像があった。

獣の様に交わる2人。

大分前に私はあの女に兄貴に近づくなと言ったことがある。

その時あの女はニヤニヤした顔で連絡先を交換しようと言ってきた。

その日の夜にあいつは兄と性行為している様子を収めた動画を送ってきた。

分かるよねってメッセージを添えて。

私には分からなかったが、あの女が兄との関係を終わらせる気は一切ないことは理解した。

その後も定期的にあいつから動画が送られてくる。


動画の時間は30分ほどだった。


深夜2時。

あいつからメッセージが届く。


ごめん、ごめん笑。長引きそうだったから先に動画だけ送っちゃった笑。

やっと終わったよ♡どう?美咲ちゃんも楽しめた?


ふざけた内容のメッセージ。


動画が送られてから3時間も経って送られてきた。

悔しくて悔しくて唇を噛む。

3時間、私は30分の動画をひたすらリピートしていた。

それで何をしていたか言いたくはないが兄のベットは水分でびちゃびちゃになっていた。

また通知。

今度は画像だ。

兄貴が全裸で寝ている。


お兄ちゃんの身体今日もご馳走様でした♡

先輩から女の匂いがしたけどあれって美咲ちゃんのでしょ?無意味な行動かわいいね♡

でも安心して明日の朝にはまた私の先輩を【貸して】あげる♡


身体を重ねただけて兄の全てを手に入れた気になっている豚め。

私はそのメッセージを鼻で笑う。

負け惜しみだった。

事実兄貴は私の隣ではなく奴の隣にいる。


私は兄の濡れたベットの上に横たわって目を瞑る。

掃除は明日しよう。


神様、お願いします。

魅李、璃々。この2人の雌豚を殺してください。

私の兄を私に返してください。

もうそれ以外は何もいらないです。

私は神に祈り意識を闇へと落とした。

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