電力事情の裏側 (電源について)
最近、カーボンニュートラルということで、エコ電源が話題となっています。
エコ電源といえば、風力、水力、太陽光と言ったものがよく知られていますが…。
それでは、いわゆる『発電』というものにはどのようなものがあるのか?
ここで復習してみたいと思います。
なお、発電には大きく分けて
『1)発電機を回す電源』
『2)起電量に依る電源』
の二種類に大別されます。
ということで、上記二種類と
カーボンニュートラル(☆)か
否か(◆)
という視点でまとめたいと思います。
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1)発電機を回す電源
発電を行うために、風車なり水車なりの回転運動を発電機に伝達して発電する方式です。
◆火力発電
もっともポピュラーな発電方式で、石炭、石油、天然ガスを燃やし、その火力で水蒸気を発生させ、水車を回して発電します。
二酸化炭素排出でヤリダマに上がっている残念な発電方式。
近年はアンモニアや水素を燃料にしようという脱二酸化炭素排出の動きはありますが、まだまだ課題も多い状態です。
☆原子力発電
火力発電の一派です。
火元が核分裂による反応熱というだけの話しです。
二酸化炭素を排出しませんが、核廃棄物質が出来てしまうのが、タマにキズな発電方式。
一旦発電を始めると、点検までは停止しません。
一定の安定した発電が見込めるため、ベース電源として安定的な電力確保が見込めます。
☆地熱発電
これも、火力発電の一派です。
火元が温泉になります。
二酸化炭素とか、核廃棄物質などは出ません…が、発電所の立地条件(地元温泉街や国立公園など)で揉める事が多い発電方式。
欧米ではほとんど普及しそうにありませんが、日本ではベース電源として安定的な電力確保が見込めます。
☆水力発電
水の位置エネルギーを利用する発電方式。
ダムを使うのが一般的、というか、それしか無い発電方式。
黒部第4ダムなど、巨大なダム構造物が有名です。
☆潮力発電
水の位置エネルギーを利用する発電方式。
潮の干満を利用する発電方式。
こちらも、発電所の立地条件(漁協、港湾施設など)で揉める事が多い発電方式。
☆波力発電
打ち寄せる波の力を利用する発電方式。
設置場所の制限など、発電量のワリにいろいろと制限事項の多い発電方式。
☆風力発電
風車を利用する発電方式。
カーボンニュートラル2本柱の一つ…ではあるのですが、発電所の立地条件(広大な土地など)で揉める事が多い発電方式。
☆太陽熱発電
火力発電の一派です。
火元が太陽熱になります。
鏡を用いて太陽光線を収束させる必要があるため、発電所の立地条件にいろいろと制約が多い発電方式
2)起電量に依る電源
ある物質が持つ固有の特性により、発電する方式です。
物理運動や熱力学等を用いない、特殊な発電を行います。
☆太陽光発電
太陽光から起電を行う方式
半導体物質(ダイオードと同じ処理を行ったシリコンボード)に光を当てることで、発電を行うというもの。
カーボンニュートラル2本柱の一つ…ではあるのですが、起電量が少ないのが難点
☆振動発電
ヒトの足踏みや新幹線の騒音(振動)を利用する発電方式
スピーカーなど、振動する物体に対し、振動を与えることで、発電を行うというもの。
起電量が少なく、研究も中座してしまっています
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さて、ここまで見てきますと、『火力発電』だけが『カーボンニュートラルではない発電方式』となってきます。
では、これを踏まえて、現在日本の発電電源の構成はどうなっているのでしょうか?
◆火力発電 72.7%
石 炭 30.8%
天然ガス 33.7%
石 油 8.2%
☆原子力発電 5.6%
☆水力発電 7.6%
☆太陽光発電 9.2%
☆風力発電 0.9%
☆地熱発電 0.3%
出典:資源エネルギー庁『集計結果又は推計結果(総合エネルギー統計)「時系列表」』より
…火力発電の一人勝ちですね。
昨今の燃料費高騰が電気代に跳ね返ってくるのも何となく分かるというものです。
次回予告
電力事情の裏側(電力需給について)
ご期待は…程々に(笑
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