Beyond Nuclear War (核戦争の向こう側)

 さて、ロシアがウクライナに進行した戦争も、膠着状態に突入して久しい今日このごろ、皆さん如何お過ごしでしょうか?


 ところで、今回のお話ですが、そのロシアとウクライナ戦争で話題となっている戦術核の行使云々についてのお話しです。


 そもそも戦術核って何なのでしょうか?

 戦術核と言っても、核兵器に変わりありません。

 核兵器=核爆弾=原爆=広島・長崎

 というのが、日本人の大方の見解でしょうか。

 まあ、原爆は戦略核と言う部類に属するのですが…

 ちなみに、戦術核と戦略核の定義は次のとおりです (個人的な解釈ですが)。


 戦術核:

 戦場の敵を物理的に粉砕することを目的とする核兵器

 一部補給線の破壊も含まれる。


 戦略核:

 兵站をはじめ、兵員、武器等の後方支援設備の破壊を目的とする核兵器

 つまり、都市の殲滅が目的となる。


 まぁ、『核攻撃を行う側』の定理というのは、身勝手なもので、の後に訪れる等は全く考えていない。


 閑話休題それはさておき

 プーチンさんは戦術核をチラつかせた上で、戦線の膠着からの休戦締結、そしてお飾りの停戦交渉を経て、領地の安堵をする。

 いずれは、ウクライナ全土を掌握するための布石を停戦交渉で…というのが全てとは思うのですが。

 しかし、あのプーチンでさえ戦術核を使う事を躊躇ためらっています。

 では、この『躊躇ためらい』はどこから来るのでしょうか?


 みなさんは『MAD』という言葉をご存知だろうか?

 小文字で書くと、『狂気』などという意味の英単語になるのですが、大文字で書かれている場合は。『MAD (mutually assured destruction : 相互確証破壊) 』という言葉を差します。

 この言葉は1960年~70年代に米国で話題となった言葉です。

 そして、この言葉から導き出されたものに『核抑止力』という概念が登場してきます。

 そもそも『MAD (mutually assured destruction : 相互確証破壊) 』というものは、何なのでしょうか?

 平たく言えば、『核兵器による先制攻撃と、核兵器による先制攻撃に対する報復攻撃』についての思考実験をまとめたものです。

 結果導き出された答えは『社会システムが再起不能な世界』の誕生となるのです。

 まぁ、『世界』を達観できる人類がどの程度生き残れるのか?とか、そもそも人類は存続できるのか?という話になりそうですけどね(笑

 これが今日の『核戦争の脅威』となって語り継がれ、『躊躇ためらい』へと繋がっているのでしょう。

『核兵器』を使えば、取り返しのつかない不測の事態が発生する、そして、『核抑止力』は綻び、疑心暗鬼の報復攻撃が至るところで勃発する。

 この状況をもって『第三次世界対戦』とする方もいるかも知れない…まぁ、ヨーロッパが主戦場になってしまえば、問答無用でしょうね。


 さてさて、最後に馬鹿な判断を下し、進んで貧乏くじを引くのは誰なのでしょうね?

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