ここだけの話

たんぜべ なた。

魂の色と神の臨在

 生まれたての魂は真っ白だという。

 神から授かったていなのだから、真っ白じゃないと都合も悪い。

 では、人為的に生み出された魂は何色なのかと言う話もあるのだけれど、今回は横に置いておきましょう…いろいろと面倒くさいので。


 さてさて、話の軌道修正を…。


 真っ白だった魂は、生き続けると、徐々に変色していく。

 魂を彩るもの、人はそれを『罪』と定義した。

 罪の色は誰にもわからない…しかし、人をあやめればヤミが訪れるのは、誰もが納得するところだろう。


 さて、真っ白だった魂は年月を経て、実に鮮やかな色彩のモノになっている。

 残念なことに、この『鮮やか』という言葉いみが、言葉通りのものなのだろうか?

 パステルカラーに彩られた愛らしいものなのか?

 原色の入り交じる極彩色の奇抜なものなのか?

 或いは限りなくヤミに近い暗い灰色なのか?

 それぞれの魂の色、歩んだ結果が分かるのは、その魂が終末…つまり『死』を迎えた時だけなのである。


 そう、『死』を迎えた魂は神の裁きを受けることになる…らしい。

 宗教はそのように語っているのだから、多分なのだろう…いかんせん、現代科学は全能神の存在を『肯定』も『否定』も出来ていない。


 宗教は語り続ける…『神』は『光』であり、『悪』は『ヤミ』である…と。

 そして、魂は神の裁きを受け、あるモノは神の懐へ、あるモノはヤミへと歩んでゆくそうだ。

 この『神の懐』や『ヤミ』というものが、『天国』であったり『地獄』であったりする。


 宗教は勧める…魂は『天国』へ帰るべきものだと。

 理屈は極めて単純だ。

『光』は『白』を司り、生まれたての魂は『真っ白』だからだ。

 つまり、魂は『天国』から来るのだから、『天国』へ帰るべきと説くのである。


 さて、ここで異議を唱える事が出来るだろう…そもそも『光には色がないのでは?』ということである。

 我々が光の色を知覚するとは、太陽などの光源から発射された『光』の粒子、或いは波が物質に透過した際に反射される『色相』を網膜に投影し、脳が色を『判断』しているのである。

 なお、人間の網膜では捉えきれない『光の波 (波長)』が存在し、それらが『紫外線 (波長周期が短過ぎる)』や『赤外線 (波長周期が長過ぎる)』と言われるものになっている。


 ところで、世の中には『色の三原色』と『光の三原色』があるのはご存知だろうか?

 三色の同心円が重なり合う事で、人の目には『何色に見えるか?』を表した図である。

 詳細は見てもらうこととして、『光の三原色』の中心には『白』が存在している。

 ちなみに、『色の三原色』の中心は『黒』である。


 注意しなければならないことは、この二つの『三原色』は『人の網膜』に投影された後、『人の脳』で判断された『色』だということだ。

 現代科学は、ここまでは理解しているが、そもそも『色を理解する』仕組みが解っただけで、『色を理解する』本質には辿り着いていない。

 それは我々人間が持つ『抽象化』という概念が絡んでくると思われるが、こちらは哲学や宗教など現代科学ではまだまだ説明の着かない『人間性の内面』に関わる問題である。

 或いは、我々のような『物書き』の方が、この方面は現代科学よりも先んじているかも知れない。


 さてさて、話がだいぶん横道に逸れてしまったので、戻るとしよう。


『死』を迎えた魂は神の裁きを受ける…それは、己の魂の色が文字通り『白日はくじつのもとに晒される』のである。

 光を受け、喜び勇む魂がある他にも…

 ある魂は、己の色に怯え『ヤミ』へ移動するかも知れない。

 また、ある魂は、己の色に絶望し暗い『ヤミ』へ落ちていくもかも知れない。


 こうして『神』の裁きは行われる。

 いつでもそうなのだ。

 神は人を、人が神をしまうのだ。


 しかし、魂の色はどうであれ、何とか光のうちに留まりたいと叫ぶものもあるかも知れない。

 この叫ぶ魂を救済するために神は動くのである。

 神が慈悲深く魂に向き合うと、魂は己を浄化 (白化)すべく灼熱の炎に包まれる。

 その炎は、魂の浄化 (白化)が終わるまで燃え続け、ついには白い魂となって、『神の懐』へ向かうのである。

 ※キリスト教では、これらの魂の集う場所を『煉獄 (リンボ)』と呼んでいる。


 さて、あなたの魂は何色なのだろうか?

 パステルカラーのマーブル模様?

 極彩色のストライプ柄?

 それとも、漆黒?


 まぁ、色については死後の世界で堪能いただくとして、生ある今、この瞬間も我々の魂は彩られていきます。

 願わくば、穏やかな色合いで日々を迎えていただくことを祈念して、終わりの言葉とします。


 ありがとうございました。








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 という、どうでもいい話を書いてみたんだけど、需要あるのかなぁ?


 どうなのかなぁ?



 あははは

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