鉄血を啜る呪剣【ダーインスレイヴ】




 取り敢えず、聞き込みをしてみたものの、全員揃って知らないと首を横に振ってばかり。

 こうも情報が得られないと、最早お手上げ。

 聞き込みの当てが無くなった俺達は、二人して公園のベンチに腰掛け、夕焼けの光を浴びながら棒になった足が柔らかくなるのを待っていた。

 両腕を背もたれの後ろにぶら下げて、足も股を広げて膝を伸ばし、お姫様に見られたら叱咤されること間違いなしのまったり態勢だ。

 このまま身体が溶けたら、多分、最高なんだろうな。


「あぁ~······」


 感嘆しか出ん。

 それに比べて、シラは草臥れている様子はなく、手帳を開いて聞き込みで得た情報をまとめている。

 こいつ、大した体力だ。というよりは、胆力か。


「なあ、シラ」

「なんでしょう?」

「このまま帰ったら、駄目かな」

「駄目でしょうね」


 案外、シビアだな。公私混同しないとは、器用で立派なことだ。

 それにしても、さっきから区衛兵がやたらと騒がしい気がする。騒がしいと言うよりかは、心が穏やかでない様子だ。区民に気取られないように振るまっているが、俺の目耳と勘は騙せない。

 緊張感が滲み出ている。

 昼間に、学園ギルドの方から爆発音的なものが聞こえてきことと何か関係があるのかね。アルフォンスあたりが魔術の練習をしていて失敗したっていうのなら、俺は安心して抱腹絶倒できるんだが、どうにもそうじゃなさそうなのがなんとも。


「そろそろ次に当たりましょう。今度は西側です」


 シラが手帳を懐に入れながら立ち上がって、俺もまあまあ疲れの取れた足でついていく。

 俺達は、ドーイン達の構えている北の地区から、時計回りに聞き込みをしていった。工房の周辺、東、南と済ませ、西でようやくラストになる。

 ここにいなければ、いよいよ盗人は区の外に出たということになる。そうなれば、本当の本当に冗談抜きでお手上げ。ダーインスレイヴ、また盗人の匂いがあれば、ギリギリなんとかなったかもしれないが、箱の強烈な埃臭さに妨げられて無理だった。

 西で聞き込みをしていく内に、夜になってしまった。次々に店仕舞いしてしまい、もう情報を得られそうなのが壁沿いの歓楽街くらいしか無くなってしまった。

 あそこは、夜が一番人が増えるから、聞き込みをしようとそこに行こうとするも、シラに腕を捕まれて頑なに拒まれた。なぜか顔を俯かせていたが、あれはどういうつもりだったんだ?


「滅入ったなぁ~」

「まだ聞いていない区画もありますし。本日のはあくまでも盗人に警戒を強要させるためのもの。余程意識が高ければ、今夜中に何かしら行動を興すかもしれません。なので、もう少し頑張りましょう」


 励ましてくれるのは嬉しいが、せめて場所は絞ってほしいところ。だがまあ、ちょっと俺的に怪しい心当たりはある。アルフォンスから聞いた奴隷狩り。どうにもそいつが思考にちらつく。

 気になるから、暇潰し程度に区衛兵に訊いてみれば、襲われた女奴隷達が殆んど死んでいて、生きていたとしても虫の息で話が訊けていない。そしてなにより、皆揃ってどれだけ治療しても血と魔力が絶えずだだ漏れだったらしい。

 ドーイン達の探し物も、効果の程はわからずとも、只者でないのは確実。奴隷狩りの得物って説も、考えてもいいか。


「なあシラ、この辺で奴隷が一番集まっているところって言ったら、どこか思い当たる?」

「なんですか? 急に」

「最近さ、女の奴隷ばかりを殺して回っている奴がいるらしいんだよ。一度は聞いたことがあるでしょ?」

「ああ、そう言えば」

「しかも、区衛兵が言うには妙な状態で死んでるって言うんだよ」

「そのシリアルキラーと、ボク達の探しているダーインスレイヴと何か関係が?」

「どころか、そいつの使っている得物が、て話」


 シラは顎を摘まんで考え込んだ。


「証拠不十分で、決めるには早計な気がしますが、かといってその可能性も全く無いわけでもなさそうな気も······」

「だしょ? 気になってしゃーないんよね。耳先、かゆ」


 というわけで、検討の結果、俺達は別行動を取ることにした。

 狙われているのが女の奴隷ということで、俺は娼館周辺を張り、シラの方は気恥ずかしいという理由で壁沿いの入口付近で待機するらしい。構図としては、屋根上で壁沿いを挟み込むような配置だ。

 二人共耳がいいから、ちょっと離れたぐらいでも不穏な騒ぎを聞けば駆けつけられる。

 問題は、シラの思惑と盗人または奴隷狩りの思考がマッチしてくれるかどうか。奴隷狩りは夜にしか動いていないから、その気になっていればすぐにでも。

 それにしても、人が多い多い。夜行性の中年獣人やら、もう酒に酔って千鳥足になってる二人組の人類ヒューマンの青年、着飾ったサキュバスを連れる貴族であろうリザードマンと、夜の街が徐々に明るくなっていった。

 ここまで往来があると、すぐ近くで死人が出ているなんて毛程も思わないだろうな。

 別に、俺はどこで誰が死のうがどうでもいい。道端に死体が落ちていようが、あ、なんか死んでる、くらいの単純明快な認識だけで済ませる。っていうか、それしかない。――――例外は、最近認めるようになったけど――――しかし、と取り敢えず気に入らないことはある。

 俺の中で、命令染みた能が働くんだよな。

 『生きる』という流れの上で、『殺す』というのは当然の行為。法律で殺しを厳しく禁じていることが、未だに不思議でならない。

 これを俺なりに納得している形がある。命令染みた能がそれなんだ。


『生きる為に殺すのはいい。だが、殺す為に殺すのは気に入らない』


 他を殺すのは、脅かされないで生きる為。だから必要で、禁じようにも禁じることができない。

 それを、さも子供の遊びのように、後で喰うわけでもなくただただ愉しみやがる。事の意味を知らないなら、覚えさせればいいだけだ。そうでないなら、話は別。

 奴隷狩りは間違いなくわかってる側。だったら、俺の縄張りで好き勝手下らないことをやっているから、殺しても問題無いよな。


「ちょっと、やめてください!」

「うるさい! さっきからうろちょろしやがって!」


 考え込んでいるところに、歓楽街から離れた人気の無い路地裏から一悶着起きているのが聞こえてきた。男二人が寄って集って、一人の女を詰めている感じだな。

 奴隷狩りじゃない。が、なんか邪魔だな。嫌なことを考えてむしゃくしゃしていたところだし、丁度いい。八つ当たりしてくるか。

 仄かな明かりが灯っているところまで、屋根を伝って向かう。

 それにしても、女の方の声、覚えのあるうるささだな。


「映写機なんてもんを持ち歩きやがって! まさかギルドん所の記者か?」

「ち、違いますよ! 私は、ただ、友達と思い出作りに」

「ほ~、夜の大人の遊び場でか? ガキの修学旅行にしちゃ、選ぶ場所を誤ったな」


 いた。

 今、圧をかけたのは、煙草を咥えたランプを持ったドーベルマンの獣人。もう一人は、縄を肩に引っ下げたオークだ。

 で、追い詰められている女の方は――――キャリバンだ。映写機を取られまいとして両腕で抱き締めている。

 あいつ、こんなところでなにやってんの?


「ですから、私は人探しをですね」

「ほ~、誰を探しているのか、是非うちで存分に聞かせてもらおうか」


 オークがキャリバンの腕を掴み上げ、無理矢理に連れていこうとした。

 正直、構いたくない。キャリバンは苦手だ。助けたらまた何かと騒ぎ出して、後をついてきかねない。

 要らない荷物が増えるから嫌なんだ。


「おら、来い!」

「嫌です! 今すぐに、騎士様に伝えなきゃいけないことがあるのですから!」


 前言撤回。取り敢えず、今すぐ拾いに行こう。


「ああ? 騎士様? こいつ、とんだ夢を見てやがるぜ」

「いかんねぇ。現実を見てもらわなきゃ」


 オークが縄を持って、ビシッとはち切れそうな程にしならせて伸ばした。くるまれていたからわかりづらかったが、長年使い付けているのか酷く荒れていてほぼやすりだ。あんなので縛られたら、しばらく傷が消えないな。

 そう来るなら、こっちとしてもスカッとするやり方で行かせてもらうとしよう。

 俺はドーベルマンの獣人とオークの背後に降りて、二人の肩に腕を回した。いきなりのことで、ドーベルマンの獣人もオークも同時に「あ?」と間抜けた声を出して間の俺に首を向けた。


「はーい、騎士様ご登場やえ」


 キャリバンの奴、嬉しそうに笑いやがって。なんなら、そのまま映写機をぱしゃぱしゃとフラッシュしまくりの撮りまくり。

 あ~、やっぱり来るんじゃなかった。しかも、こんな近いと視界いっぱいにチカチカしてウザったい。嗚呼、ウザったい。


「お前、どこから······!」

「待てディーン! こいつ、姫様の騎士だ!」


 手を出そうとしてきたオークを、ドーベルマンが制止した。

 流石は獣人。本能に忠実で助かる。


「騎士だからなんだってんだ! 大体、騎士がこんなところにいるわけ」

「バカ、やめとけ!」


 オークは耐えきれず、縄を振り回してきた。

 取り敢えず、足を引っ掻けてバランスを崩し、顔面を地面に叩きつける。

 はい、オークは終わりっと。分厚い贅肉の割に、柔らかいな。叩きつけた瞬間、風船を掴んだような妙な感触が掌に伝わった気がしたが、気のせいか? まあ、いっか。


「で、ワン公の方はどうする? 騒がれるのめんどクセェから、お前もしばかれよっか」

「待て! わかった! 何が目的だ? 金か?」

「そこでよだれ垂れ流しながらメモ書いてるデカ耳女」

「わかった! やる! やるよ! もう構わないから、見逃してくれ」


 強面のくせして、まるで子供みたいに喚き散らかして。これ以上は見てられないから、肩から手を離してやる。すると、ドーベルマンの獣人は膝から崩れ落ちた。


「おいおい、大丈夫か?」

「あ、あぁ······」


 取り敢えず、キャリバンの方に行く。


「とうとう、騎士様の方から会いに来てくださるなんて、このキャリバン・ヨークシャー、感無量です!」


 耳がキーンてなる。でもまあ、抱きつかれないだけマシか。


「で、さっきの聞いてたよ。俺に伝えなきゃいけないことって?」

「はっ、そうでした! はい!」


 キャリバンは、深刻そうな顔をしてメモを捲った。


「奴隷狩りのことなんですけど、偶然にも目撃したかもしれないという方に出会いましてですね、詳しく訊いたんですよ!」


 信憑性は薄そうだな。


「で?」

「遠目でよくわからなかったそうですが、奴隷狩りらしき人物の手には、不気味な剣のようなものが握られていたらしく、それがなんだか獣の顎に見えたそうで」


 おっと? これはこれは流れが変わってきたな。


「しかも、まるで生きているようだった、と。私は収集課に配属されてかれこれ三年目ですが、そんな剣なんて聞いたことが――――」

「でかした」


 取り敢えず、俺は悩めるキャリバンの頭を撫でた。

 僥倖。初めてキャリバンがいてよかったと思った。今回ばかりは、こいつの執念を快諾してやろう。


「で、そいつはどこで見たって?」

「そそそ、そんなに急かされますと――――あぅ······」


 珍しく俺が乗り気になっていたからか、キャリバンは一歩後ずさりした。メモで顔を隠しているようだったが、でかい耳がはみ出ていて、なぜだか赤くなっていた。


「なあ、その話――――」


 キャリバンがもたもたするから、オークに肩を貸したドーベルマンの獣人が答えようとしていた。

 取り敢えず、威嚇する。


「あ"?」

「ま、待て! 聞いてくれ。もしかして、あんた奴隷狩りを探しているのか?」

「そうだけど?」

「だったら、多分、話した奴は俺の顔見知りだ。この辺で見たって、行っていたぞ」

「この辺?」

「ああ」


 ドーベルマンの獣人は力強く首を縦に振った。


「そいつ、酔ってなかったよね?」

「まあ、飲みに行っていたときだったから多少は。けど、まだはっきりしてる方だったぞ」

「そ。ほな、今そいつと連絡でき――――」


 俺は一瞬、自分の目を疑った。

 歓楽街の雑踏。

 この場の俺以外の三人。

 他諸々多数。

 いろんな気配を、詳細でなくとも把握していた。僅かに不振な動きをする輩が一人くらいいるものならば、即座に気づけた筈だった。だが、どういうわけか俺は遅れていた。

 ドーベルマンの獣人とオークの背後には、歪な形をした長物を振りかざした人影が一つ。ローブを羽織っていて、顔や体型がわかりづらい。

 二人の首に赤黒い一閃が通過し、一秒後には胴体からボトッと落ちていた。


「き、騎士様、首が、二人の首が······!」

「わかってる」


 取り敢えず、キャリバンを抱えて一段一メートル半で二度飛び退く。


「騎士様、一体何が」

「知らねぇよ。あれに訊けよ、あれに」

「あれって······どれ・・のことですか?」


 どれ?――――え······? どれって······どれだよ。


「首がいきなり落ちて、怨霊の怪奇現象ですか!? どこ! どこ! 心霊スクープ、逃がすまじ!!」


 映写機を方々へ見境なくシャッターを切りまくって、肝心の被写体を捉えられていない。

 まさか、見えてないのか?

 灯りが無い暗がりで見えづらいのはわかるが、それでも像が動いているくらいの変化には感付けるだろ。


「キャリバン、俺が言ってる『あれ』ってのは、あいつのことなんだけど?」


 俺は指を指し示してまで教えてやっても、キャリバンは「見てません」の一点張りだ。

 人影は壁を足場にして急接近してきた。それによって、マントを被っているのがわかった。下から濃い血の匂いと、また歪な形をした長物――――いや、これは刃か。ノコギリ······違う。牙だ。


「あった」


 振り下ろされた凶刃を、俺も壁を伝って避ける。人影は、俺がしたことが不思議でならないというように、首を傾げた。


「そ、空があっちいって、こっち~······騎士様、ここは地上ですか?」


 キャリバンは今ので目を回したようだ。

 吐かなきゃいいんだけど。


「取り敢えず訊くけど、お前、誰だよ?」


 右腕でキャリバンを抱えているから、左手でしか得物を扱えない。ちょっと動きづらい。めんどクセェな。

 折角見つけたっていうのに、このまま退くのは惜しいよな。幾つか、収穫しておこうか。


「その剣、よく見せてくれない?」


 人影はゆらゆらと怪しく動いて、突然、さっきと同様に壁を伝って斬りかかっきた。

 敢えて攻撃のタイミングを読ませないことで、相手の防御までのテンポを崩す典型的な奇襲。器用なことに一歩一歩のステップの強さが異なり、余計に変則的になってるときた。――――雑だな。


「耐えろよ、キャリバン」


 右腕の荷物の所為で、あまり過激な動きはできない。仕方がない。キャリバンに衝撃が行かないように、身体を横に向かせて、前のめりに、姿勢は低く、足は広く特に左足を軸に踏ん張って、得物を抜いたら一呼吸入れて、振り上げてぶつける。

 この押し合いには敢えて勝ちを譲る。右足が地面を滑って、路地裏から広い通りに出る。

 月明かりに晒され、人影の得物の輪郭を赤黒い光沢がなぞった。やはり、獣の顎を彷彿とさせる形状に、ギザギザな牙のような突起が揃った片刃。

 紛れもない、あの絵図そのものの姿が俺の得物に触れている。こういうのを、“当たりビンゴ„っていうのか。

 路線変更。やっぱし、退くの無しで攻め一択! ここでこいつを仕留めて、ダーインスレイヴを奪う。ついでに息の根止めといてやる! はいこれで万事解決!

 ――――けど、とにもかくにもキャリバンこれが邪魔だ。

 取り敢えず、人影もとい盗人を押し返してキャリバンを揺する。


「おい、キャリバン、起きて」

「きゅ~······」


 ダーメだこりゃ。まだ目ぇ回しとるわ。

 もう、めんどクセェな。


「はぁ――――これが終わったら、後で独占インタビューでもなんでも聞いてあげるよ」

「よっしゃァァァァァァ、言質取ったァァァァァァ!!」

「おっ! いきなりはしゃぐな! 落とすよ」


 キャリバンの腰から手を離す。


「え? うゎー!」

「取り敢えず、区衛兵か暇そうな冒険者を呼んでこい」

「え? なんでまた?」

「いいから、呼んでこいよ」


 睨みつけて軽く威嚇し、キャリバンはようやく腰を上げて動いてくれた。

 取り敢えず、これで動きやすくなった。キャリバンが応援を連れてくるまで、ざっと十から十五分くらいか。

 その間は、こいつは独り占め。


「でだ。もっかい訊くよ。お前は、誰? 奴隷狩りなら、取り敢えず、狩る」

「······おっかしいな~」


 ようやく口を開いた。気に入らないキンキン声だな。


「なんで見えてるの? マント、着けてるのにさぁ」

「安心しろ。マントは問題ない。俺の目がどちゃくそいいだけ。だからさ、顔くらい見せろよ。あっても無くても意味ないでしょ?」

「うぅ~、エレンには外すなって言われてるけど。邪魔だからいいよ」


 そう言って、盗人はフードを上げた。黒い斑点模様が入った白髪で、随分と顔色が悪い人相で少し驚いた。


「病気?」

「健康だよ~」

「唇黒いけど」

「生まれつき」

「目が充血してるのは?」

「いつものこと」

「ちゃんとメシ喰ってる?」

「最近は、干し肉ばかりでペコペコかな~」

「そっかぁ、苦労してるんだな」

「そー。結構、苦労してる。人を探してるんだけだ、全然見つからなくてさぁ」

「そーなんだ~」

「そーなんだよ~」


 ························――――――――。


「ちなみにさ」

「なに~?」

「お前が探してる奴ってさ、手首にこんな輪っか着けてなかった?」

「うん。着けてる着けてる。······ん?」

「どした?」

お姉さん・・・・も、奴隷?」

「お姉さんって、俺?」

「うん、うん」


 ························――――――――あ~、ま~、成る程ね。

 うん。今の発言に悪気が無いのは、なんとなくわかっている。こいつの性格も、たちが悪すぎる純粋で、やっぱり俺の仮説は当たっていたと言えば当たっていたわけなんだよな。

 ただ一つ、誤算があったのは否めないな。

 こいつが狙っていたのは『女の奴隷』ではなく、正しくは『女みたいな見た目の奴隷』だったってことだ。

 アカンな。滅茶苦茶、腹が立ってきた。


「取り敢えず、殺るか」

「うん。殺ろう」


 お互いに獲物の確認が済んだところで、俺達は性急に衝突した。

 気色の悪い雰囲気のするやつは、手応えも気色悪い。こうして鍔迫り合いをしているだけでも、あと一歩遅れをとっている気分にさせられる。触れられているわけでもないのに、肩をがっしり掴まれているという摩訶不思議な危機感。

 錯覚じゃないな。これはイメージ。明確な、襲われているという現実を見せられている。


『俺はお前を襲っている』

『俺はお前を喰い殺したい』


 そんな情念が強く伝わってくる。

 挙げ句、それを吹っ掛けているのが奴隷狩りじゃないってところがなにより気色悪い。全部、全部、ダーインスレイヴから流れ込んできやがる。

 ここまで、主張の強い物は初めて出会う。『生きた武器』、『意思を持った生命体』、『鍛冶師一族最大の汚点』――――今なら、ドーインの懸念ってのがよくわかる。

 ダーインスレイヴは、剣の姿をした野良魔物クリーチャーだ。

 だからなんだよ。

 剣のヤバさがなんだ?

 物が異質だからどうした?

 そんなの生物おれたちと同じじゃん。

 だったら、何も変わらない。

 威嚇されたのなら、徹底的に抗うだけ。

 喰い殺そうっていうのなら、逆に喰い殺してやるまで。

 理由は単純明快――――――――。


「俺は常に、“捕食者„だ!」

「な~に~?」


 薙ぎ払い、追い撃ちで脳天をかち割ろうと得物を叩きつけるが横に転がって避けられた。


「お姉さん、力スゴいね。オレの動きも見えているみたいだし、何者~?」

「あ? お前になんか教えてやんないよ」


 その質問はお前のものじゃないだろ。なあ? 狂犬!

 夜。人気は無し。――――いっていいよな?


「"一匁"」


 身体から黒い霧が噴き出る。溜まっていたものが一気に解放されて、心身が軽くなる。

 キャリバン、ちょっと遅くてもいいぞ。


「ワオ! モクモク、してる。なんか、危なそ~」


 盗人――――奴隷狩りは警戒態勢に入ったが、遅い。

 俺は既に動きを捉えて、あと一歩で手を伸ばせば届く距離まで迫っていた。このまま横一線を描けば、腸を引きずり出せる。

 不規則な動きに慣れているこいつなら、咄嗟に避けるのは簡単だろうさ。しかし、それでも無事じゃ済まさないけどね。

 というわけで、遠慮無く俺は得物を振るう。


「死にさらせッ!!」

「おっと!」


 これはびっくり。防御された。

 ダーインスレイヴを持っている右側から切り込もうとしたのに、片手で耐えやがった。

 てっきり反応できないとして、避けると思ったんだがな。流れが滞った。取り敢えず距離を開け、もう一度突進して斬りかかる――――と見せかけて、寸前で足首を捻って向かって右へ移り、顔面に突く。

 これまたびっくり。今度はしのぎで受け止められた。器用にも程があるだろ。


「お姉さん、今のはちょっとチビりそうだったよ」


 とぼけた反応をしやがって。舐めているのか?


「それじゃあ、今度はオレから行くよ!」


 奴隷狩りから凶刃が振るわれ、俺は迎え撃った。お互いの得物をぶつかり合い、同時に態勢を立て直して火の粉を散らす。

 奴隷狩りは身軽だが、力はそこまで強くない。となれば、シンプルに押して、押して、押しまくる。

 妙だな。違和感がある。

 全部対応されている。俺の剣は、――――あくまでも自己認識――――上より下、特に足捌きが主力となっている。だから、他よりは速力に重きを置いている。さらに身体が柔らかいのも加わって、油断を誘う牽制や攻防を掻き乱す連撃が強み。

 たった二度や三度の衝突で、そう易々と追い付けるものじゃない筈なんだがな。よくよく見ると、奴隷狩りよりも剣の方が先に動いている気がする。

 確かめてみるか。

 姿勢を急激に低くし、奴隷狩りの足を右回し蹴りで態勢を崩す。そして、まともに身動きの取れない内に左後ろ回し蹴りで鳩尾に撃ち込む。飛ばされた奴隷狩りは地面を転がり、ひょいっと起き上がって着地した。

 間違いない。


「その剣が肝か?」


 左足を切り出したとき、妙に固い手応えだった。ダーインスレイヴを間に挟んで防いだ。――――違う。間に割り込んで所有者を守ったんだ。


「わかっちゃったぁ~?」


 どうやら当たりらしい。

 奴隷狩りは嬉々とした調子で続けた。


「この剣さぁ、オレのことを守ってくれるんだよ。しかも、オレを殺りたいように動かしてくれるし、本当にいいものを貰ったよ」

「貰った? それ、お前が鍛冶屋から盗んだんじゃないの?」

「いいや。名前忘れたけど、毛むくじゃらの奴から貰ったんだ」


 毛むくじゃらの奴?

 獣系人外か。ったく、こいつは盗人じゃなかったのかよ。


「ま、関係無いか」

「ん~?」

「気にするな。こっちの話ッ!」


 疾走して、奴隷狩りの首に目掛けて思いっきり振る。当然、ダーインスレイヴが邪魔をする。が、ここで俺は瞬時に指を添える程度の力に勢いを沈ませ、柄を離した。

 ダーインスレイヴを軸に刀が緩やかに旋回。奴隷狩りがそっちに気を回している隙に、俺は地面に手を着かせて左のこめかみへ上段蹴りを喰らわせることに成功した。

 奴隷狩りは無人の家屋に突っ込み、落ちてきた得物を手に取って俺は追いかけた。

 背後から斬りかかるも、眉間へ切っ先が伸びてきて咄嗟に頭を反らす。避けた先には、テーブルがあってすぐさま受け身をとって背中から激突する。

 奴隷狩りが、ダーインスレイヴを振り被って来た。俺は足元に倒れていた椅子を奴の顔面に蹴り上げ、額にヒットさせた。「あイテっ?!」と怯んだところを、右肩と胸ぐらを掴んで棚に投げ飛ばす。

 壁が抜けて、空いた穴から野菜や肉等の匂いが漂ってきた。


「ここ、メシ屋か」


 穴の隣に扉から部屋を渡る。厨房だった。

 壁に沿って並べられた台の上にはそれぞれ、なにもないものもあればボールが置いてあるもの、また包丁が突き立てられているもの、果ては残飯が置かれているものまで。

 中央には材料が納められた木箱が積み上げられていた。


「あいつ、どこに――――」


 なんて、殺気を全然隠せていない。背後から伝わってくる熱烈な気配へ振り返ると、奴隷狩りが大振りに襲ってきていた。凶刃を胴を反らして避け、上段回し蹴りを横っ腹に撃ち込んで撃墜させる。


「ディナータイムだ!」


 フードを掴み上げて、残飯にそれぞれ頭を突っ込んだ。


「まずは香ばしい乾パンの盛り合わせッ!」

「ブゴぅ?!」

「主菜には芋とベーコンのバター炒め!」

「ぶまッ!!」

「副菜にはチーズブロッコリー!」

「べぁぅ!!」

「お飲み物にアップルサワーも如何ですかー!」

「ぐぁん!!」

「〆のデザートは、俺からの顔面シュートサービス!!」

「ぶゎゴフッ!!?」

「隠し味は愛情やのうて、とびきり極上な殺意やで。たーんと召し上がっていただいて、大変お粗末様でしたぁ」


 また壁を破って、反対側の通りに出た。

 奴隷狩りは、無様に地を這いつくばってだらしのない。顔は真っ赤に晴れ上がっていて、鼻血を垂れ流してまるで潰れかけの果実だ。

 だがまだだ。

 まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ······右手の牙剣がけんは俄然殺る気が絶えていない。全っ然、沈んじゃいない。

 俺には見える。俺にはわかる。グルルルルって、御馳走を前にして涎が絶えず唸ってやがる。不完全燃焼、不平不満に溢れている。


「取り敢えず、お前はまだ殺るか?」

「ぐぅ······なんで、なんで······」

「あ? 泣いてるのか?」

「なんで、オレ、勝てない? こんな強いって、聞いてないぃ······」


 かぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。

 奴隷狩りは大の字に寝転がって、バタバタと泣きじゃくり出した。子供が駄々をこねるような、聞くに絶えない情けない声が耳に入ってくる。

 俺達、互いに互いで命を刈ろうとしてたんじゃないのか? なのに、なに? 勝てないから? 強いのを知らなくて、あまりに予想外だったから泣いている?

 なんだ、はこっちの方だよ。


「悔しい悔しい悔じぃィィィィィィ――――ぐやじぃーよ"ォォォォォォ!!!」


 奴隷狩りは急に飛び起きて、泣きながら襲いかかってきた。さっきと同じように蹴り落としてやろうしたが、寸前で消失し、振り上げた足は空を切るだけだった。

 奴隷狩りがいたところには、マントの切れ端と白い羽毛が舞っていた。よくよく見れば上向きに軌道が伸びている。


「ギシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ――――!!!」


 涙を溢れさせながら奇声をあげ、今までに無い狂暴な一太刀を浴びせて来た。受け止めるのはヤバいと判断して、横へ跳躍して回避した。

 奴隷狩りのマントは飛んだときの衝撃で破れて、隠れていた首から下の姿が晒された。背中からは髪と同じ色と柄の翼が生えていて、上腕に比べて前腕が一回り太く、下半身は馬のもの。しかし蹄ではなくナイフのような鷲の爪が揃っている。


「ヒッポグリフか」


 これはまた、珍しい人外に出会っていたものだ。


「もー! 動かないでよ!! 動いたら当たらないでしょー?!!」


 最早、言動も滅茶苦茶になってやがる。

 泣いたショックで歯止めがぶっ壊れたか。上等だ! 俺ももっと滾ってやらぁ!!

 お互いに抑制をやめた一撃をぶつける。先程には至らなかった衝撃が背中まで伝い、久しぶりに硬直させられた。

 先に奴隷狩りが凶刃を振るってきて、まだ痺れが晴れていない俺はなんとか腰を反らしてギリギリ避けた。しかし、風圧によって吹き飛ばされた。


「あの野郎、あんな力あったっけか?」


 起き上がった矢先、間髪いれずに奴隷狩りが薙いできた。咄嗟に刀を横向きにして防御――――またしても、軽々と吹っ飛ばされ、水路に架かる橋に行き着いた。

 一瞬、ダーインスレイヴが刀に触れようとした瞬間が見えた。見間違えでなければ、ヤバい変貌を遂げていた気がする。


「ゲヒャぁ、ゲヒャぁ――――」


 奴隷狩りは荒い息をたてていた。俺は気になる右手へと目を写し、思わず見開いた。先程の刹那の認識が、見間違いなどではなかったからだ。

 ダーインスレイヴの刀身、峰の方から血管らしき管が浮き出ていて、さらにドクン、ドクンと鼓動を刻んでいた。怒髪衝天したときに見られる、あの変容が起こっている様だった。


「なんだよ、それ······?!」

「こいつもオレと同じだよ。いつまでも仕留められなくてぇ、イライラしてるんだよ!」


 奴隷狩りは天高く飛び上がった。ダーインスレイヴの切っ先を俺に向けて翼を閉じ、瞬く間に急降下してきた。

 すぐに動きたかったが、"陰"を出し過ぎた所為か身体が鈍くなって結局受け止めるしかなかった。

 橋が抜け、川底の砂利に落ちた。背中から重い衝撃が這い登ってくる。これは本気でヤバい。


「ほーら! やっぱりオレの方がつ・よ・い・のーーーーー!!」


 ガンガン、と繰り返しダーインスレイヴを叩きつけてきた。俺の得物は頑丈さなら負けない気がする。しかし、こうも重苦しい一撃を容赦なく浴びせられたら――――――――······ったーく、随分と余裕な分析しているな、俺ってば! 考えている暇は無ぇーだろーがッ!!

 つーか――――


「さっきからうるせンだよッ!!」


 奴隷狩りの無防備な股間に蹴りを入れる。激痛に悶絶し、膝から崩れ落ちると同時に刀を地面に突き刺してポール代わりにし、顔面にスタンプキックを喰らわせた。

 ダーインスレイヴの固い感触は無い。完全に極った。気持ちのいい填まり具合。確実に鼻は潰れた。

 奴隷狩りは水路の石壁に激突し、そのまま寄りかかった。今のこいつに武器を振る余裕は無い。仕留めるなら、ここ――――!


「······あ······」


 腹に異変。じわじわと不穏な熱が拡がっていく。

 この感じ、知っている。今まで幾度と味わった『痛覚』という異変。だが、ずっと鋭く、もっと深い。

 視線を落とせば、俺の腹のど真ん中を真っ赤な刃が後ろから貫いていた。さらに下、水面が揺らいでいて見えにくいが、ダーインスレイヴの刃が伸びているようだった。

 水に溶けて刃を展延させたっていうのか。


「マジ、かよ······かはっ!」


 喉奥から鉄の味が埋め尽くす。口から血潮が溢れ出る。

 油断していた。完全に。

 森から出て、生温い生活に浸ったお陰でいつの間にか感覚が鈍っていたのか。不覚、ってやつか。

 身体から力が抜けていく。視覚がボヤけて、聴覚が薄れて、嗅覚が霞んで、味覚が崩れて、触覚が浅くなって、段々と弱っていくこの感じ······ああ、怖い。

 寒気までしてきた。立っていられない。

 奴隷狩りとは反対側の石壁に寄りかかって、俺は凶刃を抜こうとした。しかし、力が弱くなっていて中々取れない。

 ただ刺されただけじゃこうはならないよな。刺突に混じって、独特な刺激が加わっている。


「······吸われて、やがるのか。クソ······」

「キキキッ、苦しそうだね」


 ヤバい。奴隷狩りが復活した。

 腹からダーインスレイヴの刃が抜け、元の形状に収まった。栓が抜けて、腸から絶え間なく血が流れ出てくる。あっという間に、俺の足元は真っ赤に染まっていった。


「息はゼェゼェ、お腹から血を盗られて、今なら少しつついただけで壊れちゃいそうだね? まあまあスゴかったと思うよ? こうも悔しかったの――――――――」


 言い返す気力も、聞き入れる体力も無くなってきた。

 いよいよ俺も、ここまでか。

 そう簡単に尽きない炎だと思ってたんだけどな。所詮は一羽の兎でしかなかっただけ。今までに、俺を喰らおうとして果たされなかっただけ。

 偶発的幸運?

 必然的結果?

 運も実力の内って言った奴は、どんな気分で口にしたんだろうかね。そもそも、誰だよ一番先に言い出したヘンテコ極論?

 牙が先に届いた瞬間、勝敗は決まったも同然。それが運なら、今まで俺は運任せで生き残ってきたって?


「――――ざっけんなや············」


 偶然でも、必然でもない。

 俺がここまで生き残ってきたのは、自然な流れ。

 過酷。苛烈。火急。

 何度も刈り取ってきた。

 刈り取られることを赦さなかったから。

 ············なんか違うな。

 あれ? なんの話だっけ?

 死にたくない理由だっけ?

 なんでもいい。

 もう、どうでもええや。

 考えるの、めんどクセェ――――


『ジンくん』


 なぜだか、その時俺の頭を過ったのは、お姫様の呼び声だった。ほんとどうして、こういう時に限って一番最初に出てくるのが、アイツの屈託の無い喜色満面の笑みなんだかね~。俺の頭、お花畑が開拓されちまったか。


「――――ねぇねぇ、聞いてる? ねーえー! はあ、もういいや。結構悔しかったから、きみはいつもよりぐちゃぐちゃにしてあげるよ」


 あ、今のははっきり聞こえたな。

 ぐちゃぐちゃ、ね。

 うん。ヤだ。めっちゃヤだ。

 俺の縄張り。俺の縄張り。俺の縄張り。

 そうだ、そうだ、そうなんだよ!

 アイツは俺の縄張りを侵している。

 惚けんなよッ!?

 いつまでのんびりしやがんだ!

 なあ? サクラコジンテツ!!


「取り敢えず、ぶっ殺せよ」

「あれ? なんで、立ってるの?」


 俺は獲物をしかと目に捉えた。

 今度は阻まれない。防がれない。

 そうされても、とことん突っ走れ。

 迷いは無い。

 道筋は有る。

 得物をしっかり掴みめよ。

 足腰をきっちり踏み込めよ。

 切っ先をばっちり向けろよ。


「ちょ、ちょっと待って!」

「ふぅ~~~――――――――」


 呼吸を調えて、け。徹底的に!

 そう念じた瞬間、俺の身体は切り離されたみたいにひとりでに動き、奴隷狩りへと真っ直ぐに突き進んだ。

 確実に殺してやる! ただその一心で、恐怖に満ちて強張った敵の顔を目掛けて刃を振り抜く。


「"砂鉄塵さてつじん"!!」


 唐突に、視界が砂嵐に見回れた。肌を微細な粒が引っ掻いてくるのがひどく煩わしい。

 構わず薙ぎ払った先には、奴隷狩りもダーインスレイヴも影も形もなく消えていた。耳に集中して、周囲の音から拾おうと位置を探る。

 聞こえてくるのは、一番近くて川面の小波さざなみ。一番遠くて歓楽街の喧騒。そしてその中間からはカシャカシャと薄い鉄同士が擦れる音と疾走音。

 匂いも不自然に途絶えている。


「ちっ」


 逃げられたか······。


「サクラコさん!」


 上の方から、シラの声が近づいてきた。川に着地して、倒れそうな俺に即座に肩を貸して支えた。


「遠くから黒霧が見えた上に、不穏な轟音が耳に入ったので何かと思えば、この有り様は――――」

「遅ぇよ······」

「ッ······――――面目も、ございません······」


 ヤバい。身体が押し潰されそうな程に重い。感覚も絶え絶えになってきた。 

 あれ? よく見たら、川が汚れちまってるじゃん。特に俺の血じゃね? あ~、折角綺麗にしたばっかりなのに、やっちゃったなぁ~······。


「サクラコさん? サクラコさん!!? このままではまずい」


 シラぁ~? あんまり騒ぐなよ。取り敢えず寝れば、なんとか······なる············から············さ――――――――――――。





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