第10話 現世でお出かけ

「明日はおでかけか...」


俺は、今寝ようとしているところだ。

さっきは大公令嬢のルリアがやらかしていたから助けたけど、実は次に寝て起きれば現世では待ちに待ったお出かけなのだ。

ということなので、俺は寝ようとする。だが...


「......寝られねえ...」


さっきまであんなことをしていたためか、脳が覚醒しきってしまっている。

ね...寝れねえ...


「ひつじが一匹...ひつじが二匹...ひつじが三匹...ひつじが...」


俺は、羊のやつを数えることにしてみた。あと100くらいやったら寝れると思っていた。だが...


「...ひつじが342匹...ひつじが343匹...ひつじが...何だったっけ?」


羊を数えていたが......忘れた。

もういいやという事で、俺はそのまま寝ることにした。


*


「うん、なんで寝れるんだよ!!!」


俺は、あれを2時間くらい例の詠唱みたいなことをやっていたことにムカついた。

逆にあれをしたら数えることに集中して寝れなくなるじゃねえかよ。


「れいや、おはよう」


「......おはようございます」


ほんと、この人は一体、何時に起きているんだ。毎回先に寝て、後に起きているからな。寝ているところを見たことがない。今度、もっと早く起きてみようかな...


「今日は友達とショッピングモールとかで遊んでくるね」


「うん、楽しんできなさい」


恵里花さんは優しく微笑むと、俺も。


「いってきます」


...とそう告げ、俺はご飯とかを食って、出かける。


*


俺は住処としている東京都の江戸川駅から、だいたい40分弱かけて東京駅にやってきた。東京駅は流石に人がうざかった。何なら[浮遊]使えるんだったらつかって飛んで行きたかった。まあ、時間はかかるからいいか。


「れいや、待ったか?」


せいやが駅の改札口前から出てきた。人混みがすごかったからなのかわからないが、疲れたような顔をしていた。今は集合1分前だ。


「いや、全然大丈夫だ。...てか、アイツラは集合時間に来る気配がねえな」


「遅すぎだよなあ...」


せいやも俺と同等にちょっと呆れている顔を作った。

そして、せいやは携帯を開く...


「な、なあ?!!!」


「え、せいや?どうしたんだ?」


せいやはすぐさまに俺の方へ携帯を向ける。

すると...


「YORUASOBIの新作の曲買ってから行くだと......」


まじで何してんだよ...あいつらは.......


「あいつら!まだ来ないのかよ!!...れいや、もう先に行っていようか......」


「だな、先行くか...」


俺たちは、先に目当てのショッピングモールへ向かう。


*


「おまえ、なんで...原子崩壊の本なんて買ってんだよ...」


「あぁ、ちょっとあっちの世界で新しい魔法作りたいからな」


「お前、絶対にあっちの世界でもトップクラスだろ...」


せいやは俺の病気?なのかわからないが、実験体にされたことを知っている。

いちおう、せいやも実験体にされそうになっていたからな。


「もし核爆破コアブラストを使えるようになれば、賢者にも近づくだろうしな」


「お前の場合は魔王になるんじゃないか?半人半魔だしな」


「......まあな、でも俺はな...賢者がいいんだよ」


「賢者ってなんか給付金でもあるのか?」


俺は、少しだけ考える。よく考えたら普通、メリットは殆どないと思う。

まあ、でも...


「まあ、強いから、デメリットがあるわけじゃないからな...」


「なるほど、何かあったとき用で、強くなっておこうってことか...」


俺は、これ以上は何も失いたくないと思う。自分が相手より強ければ大切なものは失わないし、生活にも便利だろうしな。


「ま、そろそろ目的地に行くか」


「だな...」


俺たちは目的の場所へ向かう。





*たくさんの試験が少しだけ落ち着いてきたので、また始めていきます。

あと、11話はすべて、戦闘シーンなどがいっさいありませんし、物語に今後出しません。なので、12話からもご覧いただけます。

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