第九話 初めての交戦
「......お前ら、そいつを離してやりな、離さなければそこに......」
俺は、その少女を知っている。ルリアだ。
もし、この国の大公令嬢が行方不明になれば、この国は混乱に陥るだろう。
なんというか実は、ずっと前から
魔力が強い3人になぜかつきまとわれていたからな。
まあ、とりあえず脅すか。
「
俺は、浮遊魔法を作動させながら、小さな威圧...声と共に、微量の魔力を放つ。
だが...
「ふはは、おいおいガキ...ちょっと威圧する相手が違うぞ?」
やつは、手をひらひらと上下左右にうごかして煽ってくる。
「俺たちは、Bランクパーティーだからな」
すぐ真下にいた仲間が鉄の剣を持ちながら、飛んでくる。
流石、Bランクだ。身体能力が現世ではもちろん、普通に今まで見てきたやつとは比べ物にならないだろう。
「
「そんなぁ、攻撃ぃ、甘いなぁ」
剣を持つ男は剣を斜めにして、
剣技も美しく、まるで.....俺の後輩くらいの剣技だった。
「...チッ...」
だが、
「降りてあげようかな」
俺は、
「ふっ」
男は、剣を右側から左側と、横に薙ぎ払う。現在、俺は
「炎の矢」
俺のよく使う道具、弓だ。武器の中では、一番好きな武器だ。なんというか...ちょこちょこ撃っていれば勝てるし。
「くそ、火属性魔法を付与していやがるな...」
「俺も手伝う...」
「騎士を舐めるなよ」
こいつらは、クエストでも剣士・騎士・魔術師のパーティーなんだろう。
やはり、ずいぶん連携が取れている感じがする。
「
「二進双法」
右からは騎士が、そして左から剣士、真ん中からは
「お前ら、上を見ておけ!!!」
俺は、走り出す。少女に向かって...走り出す
「逃がすかぁ.....っ!」
「もう遅いんだよ」
俺は、少しだけ前のときに、ある魔法を放っていた。それはもちろん。
「弾けろ......
俺は走っていた体を
ここは、幅の広めの路地裏だ。だから、多少の強さの魔法ならイケるかも。
更に、俺は、
「「「?!!!!!」」」
彼らは俺ほどの実力は持っていない。だからあの
「......死なしてはないはずだと思う...」
3人共、気絶していた。......なら大丈夫だわ。
てか、ルリアって子、大丈夫かな?
「...お〜い。大丈夫か?」
「............あ、えっと?今の...何だったんだろ........」
ルリアは先程の魔法の威力が高すぎて、現実か現実ではないかよくわからなくなっている。やはり、初めての人はそうなってしまうんだな。
「....怪我はないか?ないなら、帰るぞ」
「えっと....今の戦い?ありがとうございます」
「ああ、俺は一応ソロパーティーでAランクだから」
つまり、俺は1人で4人組のAランクパーティーといい勝負ができるというわけだ。なんというかバケモンだな。
「......!そっか、さっきまで私は誘拐されそうになっていたんでしたね...」
「ルリアは物忘れがひどいな...」
「.....なんで?私の名前を知っているの?まさか...あなたも仲間...?」
「......いや、俺は上級貴族だから知っているだけです」
俺は、少しだけ笑顔を作って見せて、そう返答した。
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