第12話 最後の伝説モンスター

 約束通り、水の伝説モンスターを仲間にしたカインは、クエスト報告のためにギルドへ到着していた。


「え、本当にまた仲間にしたのですか?」

 メイは、お決まりの呆れた反応を見せる。


「お待たせしました。クエストは完了で受理いたしました」

「また、ランクもC→Aに昇格となります。おめでとうございます」

 どうやら、伝説のモンスターを二体も仲間にした功績から飛び級でランクアップしたようだ。


「これですっかり上級冒険者ですね」

 一般的に、Aランクから上級者となるため、カインは立派な上級冒険者となったのであった。

 

 水の移動がリヴァイで可能になったカインは、次は空を飛んでみたいと言う。


「それなら最後の伝説のモンスターは空が飛べますよ」

 メルが言うには、最後の伝説モンスターはドラゴンのようだ。


「もうここまで来たら三体、全ての伝説モンスターを仲間にして伝説になってください。またご連絡いたします」

 その話を聞いていたメイが、また伝説モンスターの情報があれば教えてくれると言うのだ。


 目新しいクエストもなかったため、カインは一度、拠点に戻ることにした。

 リヴァイに乗ることで船を待つ必要がなく、快適に無人島に到着することができた。

 カインたちは、旅の疲れを癒すため、数日のんびりするのであった。


 三日は経ったであろうか。

 のんびり過ごしていたカインの元に、ギルド担当者と名乗る男が慌ただしく現れたのである。


「カイン様でしょうか? 至急お話があります」

 話を聞くと、最後の伝説モンスターが現れたと言うのだ。

 人類に被害が出ているようで、緊急の討伐クエストを依頼したいようだ。


 討伐ではなく、仲間にすることが目的であるカインは、念のため確認すると、被害が収まるのなら討伐ではなく、仲間にしてもよいと許可をもらった。

 Sランクパーティーは他のクエストで不在となっているため、Aランクであるカインに声がかかったようだ。

 ドラゴンを仲間にしたいカインはもちろん了承したのであった。


 ドラゴン討伐へ向かうカインは、出発前におっちゃんのところで準備を行うことにする。


「おう、やっときたか。頼まれていたものはできているぜ」

 すっかり忘れていたが、ダイヤモンドを素材に作った武器が完成したようだ。

 これによりカイン、メル、チロルの武器が全て強化されたのだ。


 拠点にいた数日間、素材を吸収したカインたちは、さらなるレベルアップを果たし、負ける気がしていなかったが、さらに自信をつけるのであった。

 ちなみに、リヴァルは水しか移動できないため、お留守番となっている。


 準備を終えたカインたちは、さっそく目撃情報のあった山を目指して進んでいく。

 ドラゴンが出現していることが関係しているのだろうか。

 普段はモンスターがいるはずだが、全く出会うことなく、順調に進んでいくのであった。


 30分ほど歩いたであろうか。

 山の頂に到着すると、そこには大きな赤いドラゴンがいたのである。

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