第7話 無人島へ出発

 無人島へ出発する当日を迎えたカインは、おっちゃんのところで、出発の準備をしていた。


「よぉ、久しぶりだな。今日はどうした?」

 余っていた魔石の売却と、武器と防具の新調、アイテムの補充をしたいと説明する。

 カインの武器(つるはし)は具現化して出現させるが、何故か新調したものが反映されるのだ。

 おそらく、1種類のつるはしのみ異空間に保管でき、自由に出し入れができるようなものなのだろう。


「今回は危険な無人島に行くらしいな。気をつけて行ってこいよ」

 出発の準備を終えたカインたちは、おっちゃんに見送られて、集合場所である港へ向かった。


 どうやら、無人島までは船で向かうようだ。

 港へ到着すると、一緒に向かうBランクパーティーが先に到着していた。


「よぉ! 新人! パーティーリーダーのバロンだ! よろしく頼むな」

 バロンと挨拶を終え、さっそく船は無人島へ向けて出発する。


「この前は決闘を仕向けて悪かったな。今後は仲良くしようぜ」

 Cランクパーティーリーダーのマッドと違い、Bランクパーティーリーダーのバロンはいいやつのようだ。


 約一時間ほどだろうか。

 バロンと話をしていると、すぐに無人島へ到着した。


「なかなか広い島のようだな。カイン、手分けして探索するぞ」

 島を見渡したバロンは、探索の効率を優先し、カインと別行動をすることを決断する。

 バロンと別れたカインは、無人島の夜は危険と考え、探索より先に拠点作りをすることにした。


「雨、風が防げる洞窟に拠点を作ってはどうでしょうか?」

 メルの助言の通り、洞窟を掘って拠点作りをすることにし、さっそく取り掛かる。

 採掘スキルを持っているカインにとっては、石はプリンのように削り取ることができる。


 ちなみに、採掘ポイントではなかったため、素材の入手は一切できなかった。

 スキル共有により、メルも簡単に掘ることができ、瞬く間に拠点のベースができたのである。

 次に木を伐採し、木の素材を入手する。

 センス○の効果で職人顔負けの手際で、ベッドを作成することに成功する。


「簡単にベッドが作れるなんてすごいです! 布団はありませんが、しょうがないですね笑」

 メルは布団がないことを冗談で笑った。


 寝床の確保ができたカインは、水と食料を探しに外へ出ることにした。

 外へ出るとすぐにウサギのようなモンスターが見えた。


「おそらくラビッターですね。弱い上に、焼いたら食べることができます」

 物知りなメルに感心するカインであった。

 メルの言う通り簡単に倒すことができたため、持ち帰って食料にすることにした。


 さらに少し歩くと川を見つけ、その上流で湧水を見つけることができた。

 水は湧水、食料はモンスターから入手できることを確認したカインは一度、拠点に戻ることにした。


 水と食料を手に入れ、最低限の拠点作りを終えたカインは、明日からクエストである探索を本格的に行うことにしたのである。

 疲れ果てた体を癒すため、カインとメルは、布団のないベッドで早々と眠りについた。

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