第5話 ギルドへの登録

 パーティーを組むことにしたカインとメルは、ギルドへ向かっていた。

 パーティー登録は、ギルドで行う必要があるという。


 目的はカインのギルド登録と、カインとメルのパーティー登録である。

 ギルドへ登録することで、クエストを受注することができるようになるようだ。

 そうすることで、クエスト消化と合わせて、素材集めができるようになる。

 つまり、一石二鳥ということだ。


「こんにちは! 初めましての方ですね」

 ギルドへ到着したカインは、受付担当から声をかけられる。


「ギルドの受付担当をしている『メイ』です。よろしくお願いします」

 カインは、ギルドの登録とパーティー登録がしたいと説明をする。


「承知しました。では、こちらの申請書にご記入ください」

 てっきり、実力を試す試験や、スキルを聞かれたりするものかと思っていたが、すんなり手続きを進めてもらえるようだ。

 メイに確認すると、冒険者が不足しているため、希望者は実力問わず、冒険者になることができる状態というのだ。


「はい。手続きは完了しました。こちらがギルド証になります」

 無事に、冒険者への登録、パーティー登録が完了したのであった。

 冒険者には、ランクという制度があり、カインは一番下のランクとなるDランクからのスタートとなるようだ。


「これで正式に仲間ですね! よろしくお願いします!」

 正式な仲間となったメルから改めて挨拶を受ける。


 さっそく、クエストが気になるカインは、クエストを確認するために掲示板へ向かった。

 一つ一つ目を通していくと、モンスター探索クエストというものがあることに気づく。


 何のモンスターを探索するクエストなのかをメイに尋ねてみると、特定のモンスターを探索するわけではないという。

 探索場所は無人島で、モンスターが非常に多く、まだ誰も足を踏み入れていない危険な場所のようだ。


 今回のクエストは、無人島の生息モンスターや、危険度の把握が目的だという。

 ここで、メイが気になることを言う。

 未知の場所には、まれに、伝説モンスターが生息しているというのだ。


 伝説モンスターを仲間にすることが夢であるカインは、テンションが上がる。

 そして、このクエストを受注したいというのだ。

 困惑したメイが言った。

 危険なクエストは、通常、下位ランクの冒険者が許可されることはないという。


 それを聞いていたBランク、Cランクパーティーが声をかけてきた。

 今回のクエストは二パーティーを募集しており、すでに、この二パーティーが応募しているというのだ。


「お前、Dランクだろ? お前みたいな新米がやるようなクエストじゃないんだよ」

 Cランクパーティーがバカにするのに対して、どうしても伝説のモンスターと会いたいカインは、食い下がる。


「じゃあ、お前らで決闘してみたらどうだ?」

 バカにするCランクパーティーと、食い下がるカインに対して、Bランクパーティーが決闘を提案する。


「いいだろう! 実力の差を見せてやるよ!」

 実力の差を見せつけようと、ノリノリで了承するCランクパーティーに対して、心配そうに止めるメルをよそに、チャンスができたカインも喜んで了承する。


 これにより、正式にカインとCランクパーティーの決闘が、決定したのである。

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