第16話 小ネタ遭遇集

 一文で終わってしまいそうな、一瞬だけ遭遇集です。


◆◆◆◆◆◆◆◆


 子どもの頃。

 自分が入っている布団の中を覗くと、こちらを見ている顔がありました。

 誰かいた、と言っても誰も信じてくれません。

 その日以来、布団の中を覗き込むのが怖くなりました。


◆◆◆◆◆◆◆◆


 中学校の宿泊学習にて。

 六〜七人で寝ていた夜中の二時頃に、突然女性の笑い声が響きました。

 笑い声で起きた私は、また女子が夜更かしして盛り上がっているのかな、と気にせず、再び寝ました。

 翌朝、「昨日の二時頃って誰か起きてた?」と私はルームメイトに尋ねました。

 しかしルームメイトたちは、きょとんとした顔で、「みんな寝てたよ」と答えます。

 夜更かしを指摘されたくないのかなとも思いましたが、「笑い声が聞こえたよ」と私は言いました。

 けれどルームメイトたちは顔を見合わせて、「誰も起きていないし、私たちには聞こえなかった」と答えるだけでした。

 別の部屋の声にしては、はっきりと聞こえたのですが、なんだったのでしょう。


◆◆◆◆◆◆◆◆


 祖父母の家にて。

 どうしても嫌な感じのする部屋が一部屋だけありました。

 ある日、誰もいないはずのその部屋に、人影が見えます。

 部屋の真ん中で、背中を丸めて座っている男性がいました。

 私は慌てて、その場を離れました。


 あとで祖母から話を聞くと、以前その部屋には親戚(男性)が住んでいたそうです。

 たまたま帰ってきていたのでしょうか。


 終わり。


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