第4話17×7=犯罪者
今俺は加賀夏17歳は初めての女子とのデートをして居る。
とは言ってもその相手は例の俺が泣かしてしまった子供で、デートと言ってもお姉ちゃんを探すお手伝いでしかないのだが……
「なつきぃ〜アイス食べたーい!」
「う、うん。えっと……なに味がいい?」
「いちご!」
「えっと……ストロベリーとチョコ一つずつください」
そうしてアイス屋の店員から渡されたアイスを両手に真昼ちゃんと一緒に近場のベンチに移動した。
「真昼ちゃん本当にお姉さんはこの辺に居るのかな?」
すでに真昼ちゃんがお姉さんと逸れたと言うデパートとその付近の公園を探し回ったのだが、残念ながら今の所真昼ちゃんのお姉さんは発見出来ていなかった。
……にしても真昼ちゃん。
結構食べるね?
公園でアイス、デパートではクレープやたこ焼き、うどんにかき氷と……
お家でしっかりとご飯食べさせてもらえてるのか不安になる程いっぱいご飯を食べていた。
そしてそれとは対照に俺の財布は痩せ細って来た。
「残り308円か……」
「なつきぃ〜!」
俺が自分の財布を眺めてぼーっとして居ると、元気いっぱいな真昼ちゃんに呼ばれた。
「ん?どうしたの?」
そう言って真昼ちゃんの方へと視線を向けるとそこにはたい焼き屋さんを指差す真昼ちゃんの姿があった。
「あ、あれ?もうアイス食べ終わったの?」
「なっきぃ〜アレ食べたーい!」
「えーっと……って1つ500円か!」
や、ヤバい!今俺の財布には既に308円しか無い!
どうする?断る?いや……近くにコンビニもあるし急いでお金を下ろしてくるか?
「真昼ちゃん」
「なにぃ?」
「実はもう手持ちが無いからちょっとそこのコンビニでお金おろして来ても良いかな?」
「え〜!じゃあ真昼もついて行く」
そう言って小さな手を差し伸べて来たので、俺が腰を少し下ろして真昼ちゃんの手を繋ごうとした瞬間、
後方から大きな声で叫ばれた。
その声に驚き真昼ちゃんと繋ごうとしていた手を引いた瞬間、背中に強い衝撃を喰らいバランスを崩しそのまま前方へと倒れ込むと、腕を背中で固められ俺は訳も分からぬまま拘束された。
「い、痛えぇぇ!」
あまりの痛さに大声で叫び声を上げ、俺は拘束されながらも誰がこんな事をしたのかと確認しようと首を回して確認してみたところ、そこに居たのはぴっちりと制服を着込んだ若い警察官と、少し目を潤ませて居る私服姿の天童寺真白が真昼ちゃんを力強く抱きしめていた。
…………………………うん。
どゆこと?
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