第3話子供相手に大人気ない・・・

始まった2ラウンド目は2勝1敗で俺がラウンド勝利し、最終ラウンドでは完璧に感覚を思い出した俺がパーフェクトを取って完封勝利を勝ち取った。


「しゃあ!!おら!」


俺は相手が想像以上に強かった事から、その勝利が嬉しく余り出さない大声で叫んでしまった。


「うおぉぉ!すげえ!」

「兄ちゃん強えな!」


そう言って他の客からバシバシ背中を叩かれて居るうちに少しずつ冷静になって行き、ふとこんなにも見ず知らずの俺が応援される相手ってのはどんな人なのか気になり、リュックサックを返してもらってから俺の座っていた筐体の反対側を覗くとそこには、白のワンピースを見に纏い髪が腰まである白髪、どこかで見たことのあるような整った顔をした少女……と言うよりかは子供がそこに居た。


初めはまさかの対戦相手が子供だった事に驚いたが、それ以上に今はその子供が転校生の天童寺真白を幼くした様な姿に俺は驚いた。


もしかしてこの子って……


そんな事を俺が考えているとその少女は椅子から降りると、俺の顔をジッと見つめて来た。


「え、えっと……」


そんな見ず知らずの子供に見つめられた俺は何をすれば良いのか分からずあたふたしながらも、ネットの何処かで子供とは目線を合わせたら良いと書いてあった事を思い出した俺は、特に考え無しに膝をついてその少女と視線の高さを合わせた。


するとその少女はいきなり目尻に涙を浮かばせた。


な、な、な!なんでぇぇ????

あれ?もしかして目線を合わせるのダメだった?

いや、違うアレだ!俺が知らなかったとは言えこんな子供相手に容赦無く一方的にボコボコにしたからだ!


そう考えると今まで応援してくれてた客も内心では、「は?コイツ子供相手に何本気出してんの?」「マジでねぇーわ」とか考えていると思ったら、クソ雑魚メンタルな俺は土下座でも何でもして今すぐにでもこの場から逃げ出したい気持ちで、両手を床に付けた瞬間目を潤ませたその少女がいきなり俺に抱きついて来て叫んだ。


「お"姉"ち"ゃーーん!!!」

「「「「「お、お姉ちゃん!?」」」」」

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