第17話 レグルス
盗賊?は、ご丁寧に1人で出てきてくれた。
こいつらは何が目的なのだろう。
そういえば僕のことをお嬢ちゃんとか言ってたな。女だと勘違いしているところを見ると強姦か?まぁ関係ないが…
(とりあえず鑑定よろ〜)
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フール Lv12[水属性]
[人間種]
[盗賊士Lv3]
体力 420
魔力 120
知力 361
攻撃 200
防御 383
魔法攻撃 95
魔法防御 10
素早さ 577
スキル[快速Lv1][鍵開けLv4]
魔法なし
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弱いな。
「僕男ですよ〜?残念でしたねお兄さん」
「そりゃあ残念だなぁ〜。じゃあ有り金全部置いていってもらおうか?」
いかにも雑魚が使うセリフを吐いているのが、面白く笑ってしまった。
「どうした?恐くておかしくなっちゃったか??可哀想になぁ」
「いやいや〜ごめん。あまりにも滑稽で笑いが止まらないんだ。君のお友達も紹介してくれよ?他にも隠れてるみたいだけど」
「っち。舐めた野郎だ。男もイケるうちの顧客に売り飛ばすつもりだったが止めだ。嬲り殺してやるよ」
その言葉に背中がゾクッとした。こんな見た目が災いして、前世でも2回ほど犯されかけたことがある。結局2回とも未遂だったからよかったが、そんな体験はもう二度とごめんだ。
怒った。絶対に許すもんか。
「グチグチうるさいな。来ないの?あ!ビビってるんですか〜?」
こんなあからさまな言葉の罠に、怒った奴らが突っ込んできた。馬鹿の扱いは本当に簡単だ。
「ほいっ。
飛びかかってきた3人に向かい刀を横一閃。血飛沫をあげ3人とも無惨に地べたに転がる。流石にここまで弱いのは予想外だった。
「えっ、ちょ。まだ殺すつもりはなかったのだけれども…すまない」
「黙れ!お、お前らひるむな!全員で行くぞ!」
「そうだ!数で押せ!!」
「うぉぉぉ!!」
数で押すのは正解だ。
しかしコンビネーションもチームワークもない奴らなど例え100人いても恐く無いだろう。
〈
あっという間に残りの7人も無力化した。
正直7人もいらないので動けなくなっているところを1人1人刺して回った。
【経験値が一定に達したためレベルが上がりました】
「さぁ、残るは君だけだ」
「ひぃぃ」
さっきまでの威勢の良さはどこへ行ったのだろうか。
「話せるか?」
コクコクと必死に頷いていた。
「話せるかと聞いているのだ。はいかいいえで答えてくれないか?」
「は、はい」
「よろしい。名前は何と言うんだ?」
「デボンです」
「デボン君?彼らのように死にたくはないだろう?」
「は、はい…」
その態度はまるで、怯える仔犬のようだ。刀の先端を顎に突きつけ、より一層恐怖心を強める事で会話をスムーズに行うとしよう。
「では、聞く。君は何者だ?彼らより身なりが整っているように見えるが…?」
「…」
「聞いているのだが?答えてくれないか?」
「確かにこいつらは仲間じゃないです。雇いました」
もしかしたらこの間ハノーファーにいた盗賊の仲間か部下かもしれない。そう思って質問をしているんだが、やはり当たりだろうか?
「なぜ雇った?」
「お前.....いえ、貴方様を殺せと依頼されまして」
「なら誰に雇われた?」
「.....」
「もう一度だけ言う。なぜ僕を狙う?」
「言えないんです!」
【彼は魔法による言動制限を受けています。おそらくそれで話すことができないのでしょう】
こんな雑魚にそんな魔法をかけるなんて、よっぽど用心深い奴がこいつを雇ったのだろう。それだけしれただけでも十分だ。
「はぁー…もう行っていいぞ」
「動けないんです」
「なら麻痺が切れるまでここで反省してろ!次はないからな?」
「は、はい!!」
許すつもりはなかったが、わざわざ魔法をかけるくらいなのだ。バックに大物がついていないとも言い切れないので戦略的に見逃す。
僕は、死体を収納してその場を後にした。
そして4人が待つ酒場に向かった。入って早々ザックは酔っているようだ。
「おい!アスタ!3人で必死に考えたんだけどよぉ〜決まらないんだよ〜。助けてくれ〜」
「すまないな。私も私なりに考えてみたのだが、良いのが思いつかなくて」
「メロも思いつかないって言うし〜ザックじゃ、あてにならないし〜」
「レグルスとかどう?」
獅子座の中の一つの星で確か「小さな王」的な意味を持っている星だ。
悪くないだろう。
「決定だー!」
「我らがパーティーレグルスと新しい仲間!エレナに乾杯だぁぁぁ!」
咄嗟に思いついた名前を言っただけなのに、あっさり決まってしまった。よほど思いつかなかったのだろう。なんだか適当で申し訳ない気持ちもあるが、リーダーのザックが言うのだ。
「「「乾杯!!」」」
「お前ら勝手に始めるな!俺まだ来たばっかで飲み物とかないし?」
「すいませーん!お酒一つ!」
「はーい!」
一ヶ月の間パーティーで集まる予定らなかったが、結局2週間程度で全員揃っている。
鬱陶しくも1人だった僕に声をかけ暖かく向かい入れてくれたこの面白く心優しい仲間たちとずっといたい。
そう思った。
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