第5話 フレネミーと断捨離の話

 秋口の刈り入れから何やかんやとイベント事が立て込み、気づけばもう立派に冬になってました。

 光陰矢の如し!毎日を噛み締めて生きないとあっと言う間に何年も経ってそうで怖いです(笑)



 さて。

 「フレネミー」という言葉をご存知でしょうか?

 友だちの振りをして、その実自分の足を引っ張ったり、邪魔をしたり、利用したりする害を成す人のことです。

 最近耳にする機会も増えた気がします。


 私にも、それに近い友人がいました。


 高校時代からの友人で、楽しい事をたくさん一緒に経験して、悩み相談もしたりされたりと苦労も共に乗り越えてきました。

 

 そんな彼女に違和感を感じ始めたのは、私が三十路半ばで四国に引っ越した時のこと。

 それまでは大阪の交通の便の良い所に住んでいたので、ライブやイベントがあれば頻繁に泊まりに来ていたのに。

 四国に移住した後で言われた事は、


「そっちに行ったって何もないし」  


 その場では茶化して“私に会うって目的あるじゃんよ〜!”とか言ってたのですが、鼻で笑われて終わりでした。トホホ……。


 私が四国に移住する数年前から彼女には推しの舞台俳優が出来て、そちらにどんどんのめり込んでいってるのは分かってました。

 私も大好きな本命バンドマンがいるのでその気持ちも分かるし、それを否定してまで自分と会う時間作って欲しいとも思ってなかったのですが。

 大阪のような都会に比べて四国にレジャー的な意味で派手さがないのは分かるけれど、美味しいものや素敵な景色なんかもあってのんびりした時間の中で今の環境を見てもらいたいなぁって気持ちはありました。


 そんな一言を皮切りに、どんどん彼女との心の距離は離れていき、なるほど物理的な距離が障害になるのかと初めて思い知りました。

 恋愛赤ちゃんな私は恋人からでなく友人から学びました(笑)。

 

 結局諸事情で数年して関西に戻る事になったのですが、その頃にはもう彼女のツイッターは舞台のチケット譲渡や舞台俳優、それから職場の若い女の子への愚痴や不満ばかりになっていて気軽に交流できる状態でなくなっていて……。

 マッチングアプリで今の主人と出会って付き合うようになった報告をした後あたりから、その矛先は私にも向くようになりました。

 連絡した後や、こちらが呟いた内容に当て擦りのような投稿をしたりで実際問題もうどうしたら良いのかさっぱりお手上げ!

 でも大切な友だちで、一番の親友だと思っていたから何とか首の皮一枚で関係を繋いでいたのですが。

 そのうち電話も忙しいから無理と断られるようになり、そっちまで出向くから一度会ってお茶したいなとの誘いも日程合わないから無理と断られ……。

 彼氏との話を出したこともないし、幸せアピールもしたこともない。

 彼女の行った舞台について質問してみたり、最近仕事どんな感じとかの近況報告や共通の趣味の話を振ったりしてたのですが。


 私に会うのが嫌なんだな


 じゃあもう仕方ないか!と。


 結局忙しいと言って、舞台を観に行くと言っていた日に「暇だから○○に来た」とか見るのも遣る瀬無いというか、虚しいというか。

 せめて嘘ならちゃんと覚えておいてボロを出さないで欲しかったな、とこれまた恋人に思うような事を思ってみたり(笑)


 今の彼女にとって私はストレスにしかならないのだと思うし、こちらが一方的に千切れないように頑張って繋ぎ止める縁も違うような気がして。


 きっと、私が見ている主観の事実と彼女の見ている主観の事実は違う。

 もし彼女の生活にとって私がストレスしか与えない厄介な存在なら、こちらが意図していない言動も全て違うように捉えられるなら。


 私が彼女の中でフレネミーになっていくのは嫌だなぁ。

 彼女が自分の中でフレネミーになっていくのも嫌だなぁ。


 本当に大切な友だちだったからこそ、良い思い出は良い思い出のままにしておきたい。

 そして、私がいない方がストレスなく生き生きできるならそちらの方が彼女にとって幸せなら。


 そう思って最近彼女と繋がる連絡手段一切を断捨離しました。


 まぁ、また縁があればその時の環境や状況でお互い笑える日が来るかもしれないし。

 大人になるって難しいなって思ったり。

 まぁ、もういい歳なんですけどね。


 そんなこんなで最近珍しく落ち込んでいたりもしたのですが、そうは言っても明日から師走!

 いつまでも立ち止まっていられない。

 師も走るくらいなんだから、私も全力で走らねば(笑)

 残り一ヶ月も頑張るぞ〜!!


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る