第4話 M嬢との暮らし
M嬢はお婆ちゃんミニチュアダックスフンド。
全体的に黒くてニョロニョロしているけれど、立派な胸毛はクリーム色でフワフワしていて表情豊か。麻呂眉がチャームポイントな御年14歳の美魔女犬!?です。
私が結婚して主人の実家に越してきた時からM嬢との生活は始まりました。
M嬢、れっきとしたミニチュアダックスフンドのはずなのに、嫁いできた当初は家から少し離れた農業用の納屋で外飼されてました。
人が大好きで、まだ主人とお付き合いしている頃に遊びに行くと嬉しさと興奮でお漏らしするくらいの構ってちゃん。
夏に引っ越して、冬になるとあまりの寒さに何とか家の中で飼えないかと試行錯誤して今では室内犬になって悠々と生活しております。
詳しくは聞いてないけれど、このM嬢元々は室内犬だったそうで……。
たまに遊びに行くたびに千切れそうなくらい尻尾を振って必死に遊んでもらいたいよ〜!ってアピールするのは、もしかしたらもともと人のいる環境でいたのに今は誰もあまり構ってくれないからだったのかな?
もちろんご飯なんかのお世話はしてもらっていたけれど、誰も遊んではくれない……。
小型犬だからあんまり必要ないし、お散歩も連れて行ってくれない……。
ミニチュアダックスフンドは犬の性格として、本来ストーカー気質なくらい人のことが大好きな構ってちゃんだそうです。
そこに私がやってきたわけです笑
もう可愛くて!触りたくて!構いたくて仕方ない!!
この“可愛いから触りたい”という痴漢と同じ思考回路のせいで、猫にはとことん嫌われる私!!
初めはどこか余所余所しかったM嬢も次第に打ち解けてくれて、今ではとっても仲良しです。興奮でお漏らしすることもなくなりました!
私の構いたい熱がM嬢の構ってちゃんを上回っているせいか、最近はちょっとつれないときもあるけれど。
それでも、家の中を移動すると後ろをついてきて少し離れたところで丸くなる。
昼寝を一緒にしたり、本を読む横でお腹を見せに来たりと幸せな時間を一人と一匹で過ごしています。
引っ越して、知り合いも誰もいない環境でM嬢がいてくれた事が、私にとってもすごく癒やしになっています。
最近は番犬の意識に目覚めたようで、門番よろしく玄関で外を見張ったり、何かが動くと吠えて教えにきます。
その時のドヤ顔と言ったら……!
「私、ちゃんとお仕事してますよ!ほら、不審な気配教えてますよ!」
と言った具合。
そんな中、何より激しく吠え立てるのがお義母さん……。
激しく吠えながら、ドヤ顔で私の顔を見てまた激しく吠える(笑)
それは気まずいからやめて〜!と毎回思うんだけど、M嬢とお義母さんに昔何かあったのか気になるところ。
お義母さん、いい人なんだけどなぁ。
14歳と高齢だけれど、まだまだ元気なM嬢が、これからの時間を少しでも楽しく幸せに過ごせるようにできたらな、と思わずにはいられません。これも何かの縁や巡り合わせなのかも。
秋になってきて、ようやく暑さも和らぎつつあるので。
アスファルトも冷えていることだろうし、お月見がてらにお散歩に行こうかと思う今日この頃。
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