第2話 鳩たちの落ち穂拾い
近所の田んぼが刈り入れの時期を迎えています。
鴨野家の稲刈りも、この週末に行われる予定だったのですが諸事情で延期に……。楽しみにしてたんだけどなぁ、と思いながら刈り入れ作業の横を自転車で通り抜けて買い物へ。
さて。ミレーの有名な落ち穂拾い。
私は絵画に詳しいわけでもなければ、美術史や世界史、さらに言えば宗教史なんかにもこれっぽっちも詳しくありません。
それでも、そういった蘊蓄を聞くのは好きだったりします。雑学の延長みたいに捉えてるから身についてるかどうかは甚だ疑問だけれど……。
ミレーの落ち穂拾いについて、以前何かで聞いた解説によると「戦争や何らかの理由で夫を亡くした寡婦や、貧民が農園主から施しを受けている絵」とありました。
生活が苦しい人々のために、刈った麦を全て回収してしまうのではなく落ち穂はわざと置いておくのがこの絵が描かれた当時の暗黙のルールだったそうです。聖書にそのような教えの記述があるみたいだけれど、聖書までいくと全くもってチンプンカンプン。絵画を紐解くのは複雑なことよなぁ、とつくづく感じます。
この話を聞くまで、落ち穂拾いを見ても正直なところあまりピンとくるものがありませんでした。
ちょっと暗い絵だなぁ、居残り授業受けさせられてるみたいだなぁ、という失礼極まりない感想くらいというか。
でも今、刈り入れ後の畑を見ると鳩の大群が我先にと落ち穂拾いをしている様子を見て何となく分かった気がします。
人間も鳩も生きていくのは大変過酷なことなんですよね。
ただ、田んぼで一心不乱に落ち穂をつっつく鳩からは、ミレーの絵画のような物悲しさや悲壮感みたいなものは全く感じない。
むしろ、生に対するエネルギーが溢れている!
隣の鳩と押し合いへし合いしながら場所を確保している鳩を見ると、私も何だか頑張ろうという気になってきました。
ちなみに、よくその辺にいる土鳩(灰色で首の辺りが謎にカラフルな鳩)はよく群れでいますが、雉鳩は基本群れません。
ジャンキーな顔つきでカオスすら感じる土鳩に対して、雉鳩はくりくりしたお目々が可愛らしいのでよければ皆様も鳩の顔をじっくり観察してみてください。
鴨野はジャンキーな土鳩派です(笑)
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