第36話 番外編 もう一つの視点2

 そして全力で逃げるイトウさんを追い詰めていく。

「楽しい……楽しいよぉ……さぁ、さっきの感じをもっと味合わせて!」

 どんどん身体が高揚していく。


 その時、イトウさんが突然目の前に飛び出して来た。


「!!」

 対応しきれず一気に間合いを離し退く。


「私をまたしても追い詰めてくるの?

 はぁッ……堪らない、堪らないよぉ……」

 頭の中が白くなりとても気持ち良くなっていく。

 いつものフレンド同士でここまでの興奮を味わえるとは。


「あはっ……追い詰めた」


 息切れしたのか、イトウさんは物陰で隠れている。

 すかさず隠れている所にグレネードを投げ込み、燻り出す。


「さぁ……どう反応してくれるのかな?もっと私を楽しませて!」


 目の前にイトウさんが現れる。

 しかし、それは私にとって予測済みの動きだった。

 イトウさんは躊躇ったのか、攻撃が少し遅かった為容赦無く私はとどめを指す。


「……ぁ〜……ッッ!」


 私の感情も絶頂を迎え、身体がぴくぴくと痙攣に違い動きをしている。

 頭の中も真っ白だ。


 ……最高!正直ここまでとは思ってなかった。

 私をここまで追い詰めた人を倒すこの瞬間が最高に気持ちがいいのだ。

「はぁ……はぁ……」

 息も荒く、肩で呼吸をしている。

 気付けば身体もびしょびしょ、と言うよりずぶ濡れだ。

 未だこの久しぶりの昂りを堪能しながらも

 徐々に落ち着きを取り戻してくる。


 音声チャットが復活しているが、気持ち良過ぎて声がまだ戻って来ない。


 平然を装い喋り始めるが、2人同時に喋り始めてしまう。


 そういえばイトウさんは数日前とは別人みたいな強さだった。何があったのだろう。

 凄く気になる。

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