「ごめんなさいー、失敗しちゃったのー。許して欲しいのだけど、ダメかな？」

　他の隊の仲間には聞かせられない様な声で受け答えする。

　相手は私が女の子だっだと驚く。

　そう私は「女の子」です。

　一通りの趣味を聞かれ適当に答えるが、こういう男は大嫌いだ。

　更には何処に住んでいるの？食事にでも行かない？等とナンパ紛いな事もしてくる。

　ぶちのめしたい衝動にかられながらもなんとか堪えて、一応まだギャルっぽく猫被り対応中なので試しに相手の住んでる所等を聞いてみる。

　すると洗いざらい何でもべらべらと喋る。

「なぎ」という男らしいが名前（ハンドルネームだが）も住所も考え無し舞い上がった様に何でも喋る。聞かれてない事も喋る。

　大阪のとある地区に住んでいるらしい。

　ん……？

　私はすぐにスマホを操作する。

「案外近いね、今から迎えに行っても良い？家の場所教えて」

　相手「え？今から？今の子は積極的だな、おっけーだよ。家は……」

　馬鹿正直に正確な住所まで教えてくる。

「近くに着いたら連絡するから格好教えて」

　格好と待ち合わせ場所を聞き出した。

　勿論私の住んでる場所は全く違う場所、行く気も無い。

　が、迎えには行ってやる。

　さて、飲み物でも取ってこよ。

　このまま連絡を待つ。

　何だか久しぶりに楽しくなって来た。昔を思い出すねーこのワクワク感。

　ご機嫌なイトウさんである。

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