第22話 ハイレベルな世界

 あれから数日間、既に最高ランク帯で何百戦と闘っている。

 ランク帯が飽和している為か、対戦者の実力はかなりばらついている。


 勝てない人達にはどう頑張っても勝てない立ち回りで一方的に負けたりもするが、勝てる人には何度やっても無傷で勝てたりもする。


 この状況が意外と心地良い。

 次にどんな人が出てくるのか、勝てない人にはどんな事されて負けてるのか研究し甲斐がある。

 しかし、前々から思っていた事だが自分の伸びも以前に比べ頭打ちになって来ている気がする。

 誰か詳しい人はいないものか。


 プレゼントに貰ったヘッドセットもたまに使う。何かオぺレーターみたいでかっこいいが、トラブルを避ける為マイクはオフにしたまま。


 でも、何度かは突っかかられる事もある。

 当然だがこのランク帯ともなると皆真剣だ。

 人生全てをゲームに向けてる人が居てもおかしく無い位だ。

 それでも、文句を言われず勝てる立ち回りを模索している。


 偶にメールまで来る。

 内容は見られないような陰惨な物で、ゲーム内の立ち回りだけで無く人格まで否定している様だ。


 今迄で特に酷く関わりたく無いので一言謝罪のメールを出して終わりにする。


 が、そんな謝罪で許せるか、ちゃんと通話で謝れと返信が来る。


 目の前にいる相手だったなら考える間も無くぶちのめして終わるが、悪評が立ってネットゲーム世界から追放されるのもマズイ。

 得意では無いが、猫被るか……。

 そして、初めて使うヘッドセットのマイクをオンにする。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る