第20話 寄り道

 あれから数日後……


 突然佐藤が家を訪ねて来る。

 いつもは連絡してくるのに、珍しいなとは思いつつ私の部屋に招き入れる。


 佐藤「どうしたんです?最近全く音沙汰が無くて。具合でも悪いんですか……!!」

 

 部屋が散らかり薄暗い。

 その中PCだけが煌々と光っている。しかしそこに映っているのは……。


「あのね、実はとても面白いゲームみつけてね。MMO RPGって言うのかな?面白くて最近夜通しゲームするか、寝ても3時間位しか寝てなくて。朝起きてもこのゲームの事しか考えられなくて……」


 経緯を全て佐藤に話した。


 佐藤「……何をやってるんですか?皆心配していますよ。

 FPSのゲームで勝てなかった位、いつもでしょう!隊のメンツの話は?……」


 怒られてしまった。

 携帯を見ると皆からの不在着信やメールが溜まっている。


 佐藤「……とはいえ、気分転換は悪く無いにしても脱線し過ぎです。目的達成してからにしましょう」


「しかし、ゲームの仲間と行動が噛み合わなくて……」


 佐藤「実はこのゲームには音声チャットと言う機能ありまして、それを使えば大幅に解決するのかもしれません」


「そ、そんな機能が!?」


 佐藤「ただ、こちらから喋るとトラブルにもなりかねないので聴くだけでも聴いてみたらどうでしょう?」


「ありがとう!

 よし、そうと決まればすぐに実行だね!」


 佐藤「ダメです!まずは栄養付けて睡眠取ってください。あと、ちょっと冷蔵庫貸してください」


 それを承諾すると

 中にある食材で美味しそうな料理を作り、再度生活について注意された後そのまま帰って行った。

 佐藤によると私の顔やつれてボロボロらしい。


「何やってるんだろう、私。

 でも突破口また教えて貰っちゃった。

 実はMMO RPGだけじゃなくFPSの方も少し流行ってたんだよね。

 これからまた頑張ってみよう!


 しかし美味しいなこの料理。そういえばアイツ(佐藤)は普段何の仕事してるんだろう?ま、いっか」


 と、新たにゲームの勝利を誓うイトウさんでした。

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