第15話 セットアップ

 あれから1週間もしないうちに私の家にPCとその部品が次々と送られてくる。

 PCに詳しい田中さんの指示で山田が全て部品を調達したらしい。

 部品だけで部屋いっぱい。最近のコンピュータ事情は大変そうだ。

 今日はその田中さんがわざわざ設置に来てくれるらしい。山田は不要だが何故かついてくるらしい。


 田中「こんにちは」

 山田「ここが姐御の部屋……いい匂いするなぁ」

 第一声で山田を追い返したい衝動に駆られるが、それを堪え2人を案内する。


 山田「姉貴の私服初めて見ました。いつもはバイクスーツで着痩せしてるのかと思ってたけど、元々胸が小さ……」

 何かを言いかけた山田の下腹部に蹴りを入れパソコンのセットアップを田中さんに始めてもらう。


 山田「姉御の部屋にはぬいぐるみとかあるんですね、やっぱ女の子なんですね」

 蹴りの痛みに耐えながらも山田は懲りずに失礼な質問をしてくる。


「それはいつか女連れの男に絡まれた時、その男をぶちのめしたら、隣の彼女にあげたぬいぐるみを私に渡して命乞いして来たんだよ。要らないと言ったけど無理矢理渡して血だらけで逃げてった。懐かしいな、よかったらお前にやるよ」


 山田「へ、へぇえ……だ、大丈夫です」

 田中「出来ましたよ!」


 そうこうしてるうちにPC設置が完了!

 ……あれ?


「マウスとキーボードしか無いの?こんなので相手の命(タマ)とれるの?」

 田中「……あのゲームやるには充分です」


「私のやってた何とかガンマンは拳銃ついてたよ」

 田中「そう言われましても……ってあんなゲーム知ってるって一体歳幾つなん……」

 田中さんは何故か言葉をのんだ。 


「ま、まぁ……ありがとうございます。

 しかし大きなTVですね」

 田中「これは山田さんが私の指示を無視して選んだ物で……。このTVは大き過ぎると注意はしたんですが……」

 私は山田を睨む。

 山田「大きいと敵も見やすいと思って」

「まぁいいわ。ゲームスタートしてよ」


 田中「いえ、あの……所でネット回線は?」

「へ!?ネット回線……?」


 …………。

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