第5話 ゲーム事故の収拾

 私のメールにすぐに返信が来る。文面には

「メールだけの謝罪に何の意味がある?

 こっちは遊びじゃ無いんだよ、音声チャットでちゃんと謝罪しろ」と書いてある。


 気乗りはしないがVC(音声チャット)を接続。第一声でごめんなさいと平謝りする。


「あ……女の子?女の子なの!?ごめんね、別に怒ってないんだけどちょっとお話し聞きたくて」

 ……文面と話が全く違うが仕方なく話を聞いてみると、

 このゲームをどれくらいのやっているのか、

 アニメはよく見るのか、

 フレンドになって欲しい、等々

 ゲーム内容と一切関係の無い、とりとめのない話ばかり。


 そして

 彼氏いるの?

 いつか食事にでも行こうよ、奢るからさ!


 と、いつものお誘いが来る。

 こういうやりとりも慣れている。

 私が深夜帯、殺伐とした時間帯のゲームで負けるとこうなる事が多い。

 気乗りはしないがフレンド登録自体はする。こうしないと収拾がつかない。


 自分が悪いとは言え、実は深夜帯以前に遊んでいたフレンドの大半はこんな感じで私のミスの度に増えていく。


 そして必ず何処に住んでいるのかも聞かれるが、正直に「海の向こう」と答えると、しつこいお誘いからは避けることが出来る。

 嘘はついていない。日本ではあるが本当に海の向こうに住んでいる。


 同じ県内の人と当たる可能性もあるのだろうが、当たった事は無い。

 当たったとして、不快だった場合何かしら他の対応はするだろう。


 この人はゲーム上で「なぎ」と名を名乗っているらしい。

 結局今夜はこれからこの人と暫くゲームをする事になった。

 しかしこの人はこのゲームあまり強く無い。もっと強い人と戦わせて欲しい。

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