第3話 夜のゲームは本気です

 最近よくやっているゲームはFPSというジャンル。

 キャラクターの主観視点のゲームで、数人のチームに分かれて敵対するグループを銃火器(主に拳銃)を使って倒すゲームだ。


 私は2台のスマホのゲームをこなしつつFPSゲームを楽しむ。

 部屋にはTVモニタを隣にも置いて、ゲームと同時に最近流行りの動画配信サービスや動画サイトのドラマなどを見ながらプレイしている。

 いつの間にかネット上のみではあるが、フレンド(ネットゲーム仲間)になった人達とVC(ボイスチャット、つまり音声通話)しながらゲームを楽しんいる。


 ただ仲間の実力はそこまでではない為、いつも私1人で敵を薙ぎ倒してしまう。


「みやさん強いね、かすらせる事すら出来ないよ」

「くーっ、またみやさんに負けた!次こそは!」

 いつも通話ではフレンドの泣き言しか聞こえてこない。

 彼らはちゃんと勝つ為に努力しているのだろうか?

 実力はともかく、ゲームのみの仲間とはいえフレンドと和気藹々とした時間も悪くは無い。


 そんな彼等も日が変わる前には、次の日の仕事がある為ログアウトし始める。


 そして、最後に私が残る。


 ここからが私の時間。

 眼鏡をかけ、本気モードに入る。

 フレンドでは無く見知らぬネットの猛者を求め、これから私の本当の修行時間。


 友達補正の手加減も無く、本当のイノチのやり取りをしているかの様なぎりぎりの闘いが私を熱くする。

 そして、そんな相手を倒す事こそが私の生きている証、至福の悦びを感じる。

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