第5話、初めての業務。

俺は、澪のことを考えていたら全然眠れなくて早朝5時に目が覚めてしまった。




俺も少しは自分で変わろうと思い、まずコーヒーを淹れ


部屋の奥にある、大きな机に向かい、パソコンを立ち上げて


少し調べものした。




その内容は、精神論や感情論、そして女心を有りと有らゆるものを調べ上げ


自分の脳内に記憶していった。




そんなことをしていたら総員起こしのラッパの音色が響き渡り


俺は、部屋のかたずけを済ませ外へと出て24時間開いている図書室へと向かった。




そこでも俺は、女心を理解しようと思い、


多くの著名人が書いた哲学書や小説などの本を読み漁っていた。




そんなことをしていたら時間がかなり経っていたらしく澪からメールがきた。




〔颯さん?今どこですか?部屋に行ったらいなかったのでメールしました。


一緒にご飯を食べに食堂へ行きましょう?〕




と来たので俺は、




先ほど読んだ哲学書を参考に


〔じゃあ、今澪のいる場所に向かうから場所を教えて〕


と打とうとした瞬間に澪は俺の目の前に現れた。




「え?澪、どうしてここにいることがわかった?」


と驚きを隠せないまま話したすると、




「あまり教えたくはないけど、特別にヒントを上げます!


ヒントは『乙女の勘』です!」


と澪があざと可愛く言った瞬間に俺は、ふと思った。




「わかった!多分予想だけど軍から支給された


このスマホには今自分が何階のどこにいるか把握できるようになっていて、


澪は俺のスマホの正確な位置情報をと登録しているな!」




と俺の勝手な推理を言ったらどうやら図星だったらしく


「どうですかねぇー、笑笑」


とあざとくごまかしていた。




俺は、澪って意外と


(あざとい系かな?)


と思い、澪をずっと見つめてしまった。




すると澪は、


「颯さん?どうかしました?」




とさっきまでのことが無かったかのようにいつも通りの澪に戻ってしまった。




「そんなことより早くご飯食べましょう!」


と言ってきたので一緒に食堂へ行き食べることにした。




今日の朝食は珍しくバイキングかなと考えていたら澪に


「ちなみにここの食堂は朝食と夕食はすべてバイキングですよ。


昨日のは私が事前に盛り付けたものだったので今日は自分でお願いします。」




と言われたので自分で盛ることにした。




俺が盛ったのは、スクランブルエッグとウィンナーそしてベーコンに食パン2枚にした。


そして、澪が席に着くと一緒に




「「いただきます!!!」」




と言って食べた。




すると食べている途中に澪に


今日の予定を教えてもらった。




今日の予定は、




「まず、9時から上官から渡された書類の整理や添削、そして書類に記されている


作戦の物資量の調整と計算をする予定です。




そして、お昼を食べて午後は13時から


午前中にやった書類に記してある


作戦の計画の会議があるので出席してもらって今日の業務は終了です。」




「わかりましたか?」




としっかり者のお姉さんみたいに聞かれ俺は、




「わかった」


と澪が何かを期待していたようだが、俺は素直に答えた。






お互いに朝ご飯を食べ終え仕事をするために防衛省の中の


ワークスペースへ行き午前中の課題である書類の整理や物資調達量の計算を


澪と手分けしながらやった。






作業をしている最中俺は、いつものように澪と呼ぼうとしたが


防衛省の中のワークスペースにいるため澪と呼ぶことができず、


お互いに飛鳥馬大尉、水樹中佐と呼ぶことになった。




そして黙々と作業をしていると物資量の書類に不備があり、


澪に相談すると澪は、


「実は今の日本は物資不足らしくて武器も兵器も少し足りない状況が続いています。


ロシアからも支援されてはいますが、不足気味なのでこのような物資量となっています」




と言われ俺は驚いた。




(この物資では兵士一人一人が連携して戦うことは不可能。


ましてや、今の時代ロボット兵士もいるがいつかは彼らも鉄くず同然になってしまう)


と危機感を示して上官である鮫嶋大佐に抗議しようとしたが、澪に止められた。




「水樹中佐、やめておいた方が身のためかとおもいます。


上官に逆らったことがもっと上の方々に知られたら今後の仕事にかかわります。


しかも、うわさで聞いたのですが、昔上官に逆らった将校がいつの間にか消されて


その二週間後に遺体として発見されたことがありました。


なので逆らうことはせずに懸命に働きましょ?」




と言われ、俺は黙って作業をするしかなかった。


そして、午前中の作業が一通り終わり、


澪と一緒に澪の手作りお弁当を食べた。




「今日も澪の手作りお弁当は美味いな。


そして一緒に仕事をした後だから余計に美味しい」


と感動していると澪は、




「ありがとうございます!」


と言ってお互い笑顔で食べた。




そして、13時となり俺と澪は会議室へと向かった。




そこには、大尉から中将クラスの将校が合計8人いた


俺たちも合わせると総勢10人で会議が始まった。




その会議中に午前中にやった書類の物資量について指摘したが、


このご時世だからか、誰も聞く耳を持たなかった。




するとある若手の少佐が物資量についてだが、それに関しては仕方のないことだから


精神論で何とかなると大東亜戦争の二の舞のことを言い始めここにいる人のほぼ全員が頷き




すぐに作戦の計画についての会議となった。




会議が終わり今日の業務が終わったので、自分の部屋と戻り


澪と談笑しながらいつもより少し早いが食堂から持ってきたご飯を一緒に食べた。




談笑をしているときに俺は昨日のことを話そうかと迷ったけどやめて


世間話をした。あっという間に時間が過ぎ澪は自分の部屋に戻った。




そして澪が部屋も出て行ったのを確認した後俺は朝の続きの調べものをしていたらいつの間にか机で寝ていて朝、目が覚めたらシャワーを浴びてまたコーヒーを飲みまた一日の業務が始まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る