第4話、初めての軍大学の授業

颯はぐっすりと眠っていた。




とても深い眠りでずっと眠っていたかったが、




突然、とてつもなく大きなラッパの総員起こしの




音で目が覚めた。








颯はこのことを知らされてはいなかったので驚きはしたが、








眠いよ...。眠いよ...。と思い、一度目が覚めたら眠れない体なので








仕方なく起きた。








しばらく何もせずにボケーっとしてたら澪が部屋に入ってきて。








「颯さん!おはようございます!」








「うん、おはよう。」








と眠そうな感じで返したら澪が








「早く起きてください!ご飯食べて軍大学に行きますよ!




もう時間がないから急いでください!」




と焦らせてくれたので、俺は軍服に着替えて一通り準備をして食堂へと向かった。








今日の朝ご飯は鮭に味噌汁、玄米にそして目玉焼きと漬物が添えられていた.








俺が、朝ご飯はゆっくりと食べたいと思って




眠そうにゆっくりと食べていると澪はもうすでに食べ終わっていた。








「颯さん急いでください!あと30分で講義が始まりますよ!




移動もあるので早くしてください!」








ゆっくりと食べていたかったが、








そう澪に言われたので急いで食べざる得ないので急いで食べ、歩いてだと間に合わないと思った澪は、




防衛省から歩いて10分くらいのとこにある軍大学へと颯を連れて走って向かった。








あと3分で講義が始まるとこだったので急いで授業の準備をし澪と一緒に席に座った。








一限目は近代史の授業だった。








教授が、




「まず始めに今現在戦争をしているアメリカとの戦争についての授業をしていきたいと思います。」




と言って授業が始まった。








「始めにですね。いつ頃から戦争が始まったと思いますか」




の問いに澪が率先してこれまでの近代史をすらすらと答えた。








「明確にいつとは言えませんが、始めに2021年くらいから米中が経済戦争なので




対立していて、2022年に中国と仲の良かったロシアがウクライナに侵攻。そして、




泥沼の戦争が続き、2033年5月くらいに中国が台湾に侵攻、




そしてこの時の我々、日本はアメリカの犬みたいな国だったのでアメリカ側として参戦




そして、2034年2月にアメリカがそのすきをついて日本に宣戦布告そして、




2034年6月には日本は九州の一部まで侵攻されたが




昔、日本が築いておいた信頼関係でロシアと仲直りし、2034年10月に、日本はロシアと同盟を結び、そして日本は中国と何度ももめていたのでロシアは中国との同盟を切り、ロシアと日本は中国とアメリカに宣戦布告そして現在は、




ロシアは西側と中国戦線で一苦労だったが戦局は打開。一方日本もアメリカに占拠されていた土地も打開してサイパンやグアムを占拠しています。」








すると、「素晴らしい、拍手!」




と教授が言い、教室が拍手で溢れかえった。








その時に颯は、澪に小言で




「よくそんなにすらすらと出てくるな。澪はすごいな」




「まぁ、軍隊に入隊したときに学びました。」




と言ってあっさりと先手を取られてしまった。








こんな俺でも高校生時代は日本で一番頭の良い高校生という実績




で授業で学んだことはしっかりと覚えて予習もしていたが、




中々こんなにすらすらと出てこないので澪に関心してしまった。






そんなことをしていたら午前中の授業が終わり、お昼の時間となった。








二人は、教室を出た後、飲食スペースに着いたら








なんと澪が手作りしたお弁当を出してくれた。




俺は驚いた感じで「これ澪の手作り?めっちゃ美味しそう!」




と言って澪と手を合わせて食べた。








そして俺は美味しそうに澪の手作りお弁当を食べていると、横から澪が




「どう?美味しい?」




と可愛さ全開で聞いてきたので、




俺は素で




「めちゃくちゃ美味しいよ?」




と言ったら澪が照れてくれた。




澪の照れる姿はめったに見れないので俺は心の底から嬉しかった。








午後の始業チャイムが鳴ると俺と澪は教室に戻り再び一緒に授業を受けた。








次の授業は一流の参謀になるための作戦の立て方の授業だった。








俺自身は戦争においての作戦の立て方は得意な科目だった。




なぜならチェスでも将棋でも一回たりとも負けたことが無く




チェスの世界大会では最年少優勝記録を持つ才能があった。




教授から教わった作戦の立て方はみんな俺のお見通しだったので


俺自身はあまり面白くはなかったが、




澪は真剣に授業を受けているので声を掛けられなかった。






でも、授業が終わると普通に勉強にもなるし、なんだかんだ面白かったかもしれない気がしてきた。








そして、今日の分の授業が終わり、防衛省の中にある自分の部屋へと澪と戻ると




俺は一つの疑問があったので聞いた。








「澪は遊園地にも行ったことがなくてしかも、なんでこんなに可愛いらしいのに軍人なんだ?」




すると澪は、息も詰まらせて




「実は、今回のこの戦争で私が中学生の頃に両親を亡くして、




その後養子として別の家へと引き取られました。けど、




その家族からの虐待や暴力があり、




結局私は軍人としての生きる道がないと思い軍人になりました。




こんな話嫌でしたよね。すみません。」












俺は、澪にこんなことがあったんだと思い息を詰まらせたが、




(澪に寄り添うために自分自身にできることはないか)と考えて




「大丈夫だよ」と声を掛けて抱きしめたら、




澪は俺の手の中で泣かせてしまった。








しばらく澪は泣いていたので夕食の時間になった。








俺は澪に、「何食べたい?食堂からもらって来るよ?」




と言ったら、




泣き終わった赤ちゃんのように




「オムライス。オムライス食べたい。」




としつこく何度も言ってきたので。




「わかった。わかったから、ちょっと待っててね。」




と赤ちゃんをなだめるように言って急いで取りに行った。








自分の分と澪の分を持って部屋に戻ると、いつも通りの澪に戻っていた。




オムライスをテーブルの上に置くと恥ずかしそうに俺のところみ見て




「さっきのことは忘れてくださいね。」




と言って今回はいただきますをせずに澪は先に食べてしまった。








俺の心の中は




(何この子、めっちゃ可愛いんですけど....。)




と思い俺は澪より少し遅く食べ始めた。








お互い食べ終わったのを確認して俺は、澪に




「なんでオムライスにしたの?」




と聞くと澪は




「昔、母が作ってくれた手料理の中で一番好きだったのがオムライスだっだからです。」




と言ってきた。




瞬間に俺は、泣いてしまった。








「今日は、颯さんが持ってきてくれたので私が片付けておきますね。」




と言って部屋を出て行ってしまった。








澪にこんな辛い過去があったことを知った俺は、




(もっとしっかりとしないとな)




と思い今日もすぐにシャワーを浴びて眠った。

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