第3話、澪との距離を縮めたい。

自分の部屋に着くと




窓が一つの12畳くらいの部屋の中には奥にデスクワーク用の大きな机、その上にはパソコンがあり、




右側に二人用の小さなテーブルと簡易的なベッド、左側には本棚やクローゼットがあった。




颯が部屋の確認をし終えると澪は、俺に




明日からの一週間のスケジュールを渡してくれた。




そこには、軍大学での時間割や、仕事の内容や予定が記されていた。








俺が澪に




「え、こんなにスケジュールが詰め込まれているの!?」




と驚いた感じで言うと








澪が




「軍なんだからこれが当たり前です!」




と可愛らしいにこやかな感じで言ってきたので






澪の顔を見て


(これは、頑張るしかないな)と思い




俺は、決意を固めた。








そして月曜日からの予定が確認できたところで、




俺は澪に前々から気になっていた質問をぶつけた。








「なぁ、澪?デリカシーのない質問するが俺と澪はそんなに年齢が変わった




感じがしないけど、年齢はいくつか教えてくれる?」




(この質問を女性にしかも、こんな可愛い見た目の副官にぶつけるなんて...。




俺は、デリカシーがなさ過ぎたか?でも年齢はさほど変わらない感じがするから気になる...。)








そんなことを考えていたら澪が答えてくれた。




「本当にデリカシーの欠片もない質問ですね。」




と冷たい死んだ魚を見るような目で言われてしまった。












その言葉に俺は、嫌われたかもしれない思い落ち込んだ。




(嫌だ、嫌だ、嫌われたくない)




と少しメンヘラ気味になって病みかけたが、








そんなことを気にせずに澪は話を続けた。




「仕方ないですね!特別に颯さんに教えてあげます!




もう二度と答えないのでよろしくお願いします!」








と可愛らしい声で答えてくれた。




「今の皇紀は2696年で西暦が2036年です。そして私が生まれたのは、




皇紀2678年で西暦2018年の2月9日なので今は18歳です!」








「俺と1個違いか、」








「そういうことになりますね。」








「ちなみに俺の誕生日は.......。」




と言おうとしたけど自分から言うのは変かと思い言うか迷っていたら








澪が、




「颯さん!大丈夫ですよ?




私、颯さんの生まれた病院、育った場所、家族構成、通っていた学校の名前、好きな食べ物、




もちろん生まれた日付まで全て知っていますから!」








(えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええ)




俺は驚きを隠せなかった。








「ち、ち、ちなみにどこでそれを知った!?」




動揺しているので日本語がカタコトだが、澪が続いて








「それは企業秘密と言いたいところですけど特別にですよ?特別に教えますね?




鮫嶋大佐が持ってきた資料の中に




颯さんのことが乗っていて今回は私は、颯さんの副官に着任するということだったので




そこで知りました。




ちなみにその資料を手帳の中に大切に記録しています!」








颯はかなり恥ずかしくてじれったかった。




(めちゃくちゃ恥ずかしい、恥ずかしすぎるよ。)




と思った。








それを知ってお互いのことをもっと共有したいなと思った俺は、




澪の出身地や好きなこと、遊び、食べ物、得意な科目など思いつく限りの質問をぶつけた。




俺は澪の意外なことを知れて嬉しかった。






その会話の最中に澪は俺に驚くことを言った。








「実は...。その...。」




と澪は恥ずかしそうに何かを言おうとしたので




俺は、




「どうしたの?無理にとは言わないけど話してみて」




と優しく声をかけた。








すると澪は、




「実は、遊園地に行ったことがなくて...。




この際に言うと...。颯さんと行きたいなと思いまして...。




今度の土曜日にぜひ私と一緒に遊園地に行ってくれますか...?」








と不安そうに言ってきたので




颯は女の子とのデートは初めてで、高校時代も何度も告白されたり、


遊びにも誘われていたが、みんな断っていたので


俺自身が不安でいっぱいだったが、澪の誘いを断って澪の楽しみを台無しには


したくはない気持ちが勝り




「ぜひ一緒に行きたいです」




と即答した。








「本当ですか!?ありがとうございます!」




と明るく可愛らしい感じで言ってきたので




自分で即答したのに顔が真っ赤になった。






時計をみて澪は、


「そろそろ夕食のお時間なので食堂からご飯お持ちしますね


その間に、テーブルの上綺麗にしておいてください!」




と言って颯の部屋は出て行った。






そして、颯は、テーブルの上を綺麗にし




澪が夕食を取りに行ってる間に俺は、




先ほど話したことを思い出し、




(あんなに可愛い顔見せてくれるなんて...。




澪、可愛すぎだろぉ...。)








とひたすら思い出し澪の余韻に浸かれていると








あっという間に防衛省の中にある食堂からご飯を持ってきてくれた。








本日の夕食は二人ともカレーライスだった。








食堂から持ってきたので




「これは、澪のチョイス?」




と聞いたら




「はい!」




と明るい声で答えてくれたが、








次の瞬間に澪が申し訳なさそうな感じで








「勝手に選んできてしまったのは申し訳ありません。




防衛省の中の食堂では、一番人気の物を選びましたが、




お気に召されないようでしたら違うのと交換してきます。」








俺は澪が選んでくれてとても嬉しかったので、




「大丈夫だよ?澪、




カレーは大好きだし、しかも澪が選んでくれたから




余計に嬉しいよ!」








と返したら




澪が少し恥ずかしそうな感じで




「ありがとうございます、」








と言ってくれたので




恥ずかしさのあまり俺の心臓は鼓動が少し早くなった。




少し緊張していたが、カレーが冷めないうちにと


自分の中で理由をつけ








さて食べようかと言って




二人用の小さなテーブルに澪と向かい合わせで








お互いに手を合わせて




「「いただきます!!!」」




と言って食べ始めた。




カレーライスのなかには具材がたっぷりと入っていてかなりボリュウーム


あるなと思って食べていたら




澪の美味しそうに食べる姿が可愛くて不覚にも笑ってしまった。




すると澪は(むっと)した顔で




「なんですか笑笑」




と笑ったので俺も笑いながら楽しく夕飯を食べた。




颯にとって澪と一緒に食べるカレーは最高に美味しかった。












そして、食べ終わると




「今日はこれで自分の部屋に戻りますね。食器は片付けておきます。」




と言って部屋を出て行った。








そして俺は、もう疲れていて、明日の朝も早いのでので防衛省の中にあるシャワー室に行って




シャワーを浴びて部屋に戻り、ベッドに横になるとあっという間に寝てしまった。








そして、翌朝水樹颯17歳は




軍隊の朝の厳しさを知ることになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る